コストパフォーマンスならぬ「タイムパフォーマンス(タイパ=時間対効果)」を重視する価値観が台頭している。そうした消費者の変化にいち早く気付いた企業は「時間」を軸にした差異化に取り組み始めている。なぜタイパ重視なのか。そして、その変化をどう活用すればいいのか。タイパ時代に取るべき戦略を探る本シリーズ。初回に取り上げるのは、食事にかかる様々な時間の削減に着目した新興企業だ。
「コロナ禍で在宅ワークが定着し、単身世帯の若者を中心に『食事をできるだけ早く済ませたい』というニーズがますます高まった」
こう話すのは、冷凍総菜の宅配サービスを手掛ける新興企業、ナッシュ(大阪市)でマーケティング本部長を務める山本敏幸取締役だ。ナッシュのサービスで届けるのは、1食分の主菜と副菜が入った冷凍パック。利用者は60種類以上のメニューから好きなものを選んで注文して自宅で受け取り、好きなときに電子レンジで温めて食べられる。2020年1月に約18万食だった同社の月間販売食数は、21年11月には約150万食まで拡大した。約2年間で10倍近い伸びだ。

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