2019年の就職活動を揺るがした「リクナビ事件」。就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリア(東京・千代田)が、サイトに登録した就職活動中の学生の「内定辞退率」を人工知能(AI)で予測し、企業に提供していたことが8月に発覚した。

内定辞退率の問題を受け8月に開かれた記者会見で頭を下げるリクルートキャリアの小林大三社長(左・手前)と浅野和之執行役員(右・奥)
内定辞退率の問題を受け8月に開かれた記者会見で頭を下げるリクルートキャリアの小林大三社長(左・手前)と浅野和之執行役員(右・奥)

 同社は18年以降、学生がサイト内でチェックした企業の閲覧履歴情報などを収集。AIを活用しその学生が内定辞退する確率を算出し、学生本人にも十分な説明のないまま有償で30社以上に提供していたという。厚生労働省は「(一連の行為は)本人の同意を得ても法律に違反する」との見解を打ち出し、政府の個人情報保護委員会は12月、サービスを利用した企業にも行政指導をした。その中には、トヨタ自動車や三菱商事といった有名企業も並ぶ。

 就活生に人気の大手までもがこぞって「内定辞退率」を欲しがるのは、人材不足の中でより確実かつ効率的に、有能な人材を確保したいと考えているからだ。「どんなに優秀な学生でも最終的に他社に行ってしまえば、採用コストは無駄になる。ならば最初から内定辞退率の低い学生を狙った方がいい」──。多くの企業がそう考えているわけだ。

既に「インターン=本選考」の状況

 少子高齢化に伴う人材不足で、圧倒的な売り手市場が続く就活。20年もその傾向が一段と強まる可能性が高い。

 経団連が主導していた就活ルール、つまりは広報活動や面接解禁の時期を定めていた「縛り」が、20年に名実ともに消滅する。21年卒については、経団連にかわり政府が現行ルールをひとまず維持する方針ではあるが、既に採用の現場は「無法地帯」と化している。

 具体的に起きているのが、「就活の早期化」。中でもインターンシップ(インターン)には「もはや『インターン』(職業体験)なのか、選考なのかが分からない状況。今は、ベンチャーだけでなく大手も選考の色が強いようだ」(早稲田大3年男子学生)との声が上がっており、実質的な本選考に変容しつつある。

続きを読む 2/3 「学生時代に頑張ったことは就活」の現実味

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