出雲:ほら、この会議アプリの画面に映っている広報の山内と芦田が、今、ニコッとしていたでしょう(下写真)。
この対談の取材に先立ち、先日、社内で打ち合わせをしたのです。そのときに、岸見先生の本を読んでいた2人が、私に指摘してくれるのです。「ほら、出雲さん、今、ほめていたでしょ! 出雲さん、ほめるんじゃなくて、『ありがとう』でしょっ!」と。
本当に、若い仲間の成長は早い。ありがたいことですよね。すてきです。この対談をチャンスと思って、岸見先生の本を熟読したつもりでいましたが、実践においては2人のほうが、私の先を行くのかもしれない。
岸見:そういうものです。
一人だけ変わると、ギクシャクする
岸見:一緒に変わっていくというのは、大事なことです。
例えば、夫婦関係のカウンセリングで、夫か妻のどちらか一方だけがカウンセリングに来られ、カウンセリングを受けた一方だけが変わると、取り残されたパートナーとの関係がギクシャクしてしまうことがあります。ついこの間までは、夫が上で妻が下といった「縦の関係」だった。それなのに一方だけが、カウンセリングを通じて「ああ、この関係は全然、対等でなかったのだ」と気づいてしまうと、それまでは縦の関係で、それなりに安定していたものが、ギクシャクしてしまう。
職場でも、一人だけが変わると、同じことが起こり得ます。
出雲:だから、私と山内、芦田の3人の関係が大事というわけですね。この3人に横の関係があれば、社内に一気に広がっていきます。
岸見:「社長は、こんな話を聞いて、『実践する』と言っていたよ」と、証言する方がいるわけですから。
「なのに、していないじゃないか」と。
出雲:いや、まいりますね。
岸見:今日は、最初から少し期待していたのですよ。若い社員の方が2人、同席されているなと。
出雲:なんと先生、そうでしたか。最高です!

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