「問題」ではなく「改善の余地」

岸見:自分を誇示することばかりを考えている人は、たとえ、人に相談しなければならない事態が起きても、相談できないものです。

 リーダーには、信頼して相談できる人がそばにいなくてはなりません。出雲さんにとっては、共同創業者の鈴木さん(研究開発担当の執行役員、鈴木健吾氏)や、福本さん(ヘルスケアカンパニー営業担当の執行役員、福本拓元氏)が、そのような存在なのだと思いますが、そういう人を、社内全体に広げていかれたらいいと思います。

 出雲さんは、私の本をよく読んでくださっていますが、それを受けて、例えば、社内でこう話してみてはいかがでしょうか。

「実は最近、こういう本を読んで、自分のリーダーシップの在り方に改善の余地が多々あることに気づいた」…… 。自分のリーダーシップについて「問題がある」と言うと勇気がくじかれますから、「改善の余地がある」と言うのがいいでしょう。

「なので、今日から皆さんに接する態度を変えていこうと思います。どうぞよろしくお願いします」と。

 こういうことが言えるようになると、随分と関係が変わっていきます。親子関係について相談を受けるときにも、よく助言します。例えば、親から子どもにこう話すのです。「今日、講演を聞いてきて、親子といえども対等の関係であるべきで、叱ったり、ほめたりするのはよくないと学んだ。だから、今日からあなたとの関係を対等に改めていきたい。ついては、よろしくお願いします」と。そうすると、子どもたちが「お父さん、また叱っているよ」と、指摘してくれるようになります。そういう関係がいい関係だと、私は思います。

出雲:なるほど。

上司が少し変われば、部下は大きく変わる

岸見:上司と部下の関係でも、上司が少し態度を変えれば、たとえ不完全な変化であっても、部下は大きく変わりますし、若い人ほど、早く変わっていきます。私たちの世代は、慣れない「ありがとう」を言うたび、顔が引きつってしまうのに、若い人たちは何のためらいもなく、上司に「ありがとう」を言い始める、というようなことが起きます。

出雲:いやあ……、今の話はうれしいです。実は、ユーグレナはすでにそうなっているのです!

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