『罪と罰』を読みましたか?

上田:小説はいいです。普段、体験できないようなことをバーチャルに体験できます。そのことによって人間の奥底にある心理とはどういうものか、人としてどう生きるべきかといったことが考えられる。

池上:そう、若いときにそういう時間を持つことが、後年、すごく生きてくる。

教養は企業倫理にもつながるのですね。確かに「倫理感」といったものは、上司から「持て」といわれて、持てるものではない気がします。いろいろな経験や学びをへて、自分の内面から生まれてくるのが、本当の倫理感かもしれません。

池上:例えば、ドストエフスキーの『罪と罰』なんていうのは、我々の学生時代には必読書でした。要するに「ごうつくばりな婆さんが大金を持っていたって、なんの役にも立たない。だから俺様のものにして有効に使ってやるよ」と、金を奪い、老婆を殺してしまった青年の話です。でも、実際に殺人を犯してしまうと、すごく悩むわけです。心底悩む。その心情を読者は疑似体験するわけです。こういう本を、若いときに社員や役員、経営トップが読んでいるかどうかで、企業がどう成長していくかも変わってくるのではないでしょうか。

学びに 仕事 人生に
生き抜くための最強の武器になる
教養はいつからでもどこででも学ぶことができる
待望の文庫化! 池上彰のリベラルアーツ白熱講義

東京工業大学に着任した「池上教授」が、仲間の先生たちと「教養の本質」を考えた。伝説のベストセラーがついに文庫化

◎ 教養なきビジネスは新しいものを何も生まない
◎ 教養とは与えられた前提を疑う能力である
◎ 教養とはつまるところは「人を知る」こと……

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