一方で、友達や身近な人には自己開示できても、相手が会社となると身構えてしまって、本来の自分を出しにくい、ということもあると思うんです。志望する会社であればあるほど、その会社の社風や風土に合った自分を装ってしまったり、こう振る舞ったほうが採用されるんじゃないか、とか計算したり。

佐渡島:その気持ちも分からなくもないですが、でも、会社って毎日行く(もしくは接する)ところですから、自分に合わない会社に入ると、自分も不幸になるんですよ。

そうですね。『宇宙兄弟』のムッタ(主人公の南波六太)からそんな雰囲気が伝わってきます。後輩には慕われていたようですが、上司からの評価が……。

[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]
会社にいられなくなったうえ、JAXAの採用試験まで妨害されたムッタ。だが、JAXAの採用担当者が、彼の危機を救おうと奔走する。JAXAはムッタに「好意を持った」のだ。(2巻#11 「頭にまつわるエトセトラ」)
会社にいられなくなったうえ、JAXAの採用試験まで妨害されたムッタ。だが、JAXAの採用担当者が、彼の危機を救おうと奔走する。JAXAはムッタに「好意を持った」のだ。(2巻#11 「頭にまつわるエトセトラ」)
[画像のクリックで拡大表示]

佐渡島:短期的な取り繕いは、将来の自分にとって損になるだけなんです。

 この本(『あなたを引き出す自己分析』)では、自分に合った宇宙兄弟の「キャラ」で就活に臨む提案もしていますが、いくらヒビトみたいなキャラが受けそうでも、自分が「ムッタ」に近い個性だったら、やっちゃいけませんね。

佐渡島:だから、こんなふうに考えてみてはどうでしょう? 就活は、会社があなたを選ぶだけじゃなくて、「あなたが会社を選ぶ場でもある」と。

就活生が会社を選ぶ場。

佐渡島:面接される、のではなく、自分が会社を面接するんだ、という意識ですね。面接では、「自分はこんな人間です」と開示しますよね。それに対して面接官が「それはちょっと……」と否定的な反応だったり、面接の手応えが感じられなかったり、その結果として不合格なら、その会社とは相性が悪かった。そういうことだと思うんですよ。

だから、むしろ本来の自分を開示して、会社との相性を見極めたほうがいい、と。

佐渡島:そうです。自分を取り繕ったり、理想の自分を演じたりせずに、自分にとって居心地のいい自分を開示して、それを受け容れてくれる会社を探す。就活を成功させるには、最終的にはこれに尽きると思います。

相手は会社といっても、結局は人と人ですもんね。就活だからといって気負わずに、自分が居心地よくいられる人や場所を探す感じでいけばいいんですね。

佐渡島:そう。例えば、誰かをデートに誘うときのことを考えてみてください。緊急事態宣言が解除された今なら、こういう話題もOKかな、と思うんですが(笑)。

次ページ デートのお誘いと面接の共通点とは?