就職活動に必須の“自己分析”に、自分の強み、弱みを理解する「FFS理論(開発者:小林 惠智博士、詳しくはこちら)」はとても役立ちます。昨年刊行した『宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み』にいただいた就活生の皆さんのそんな声に推されて、就活に焦点を合わせた新刊『宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたを引き出す自己分析』が刊行されました。

 この本は、人気コミック『宇宙兄弟』(作・小山宙哉)に登場する多彩なキャラクターとその名場面を使って、FFS理論による「あなた」の強みと弱み、それらを面接官にどのように「魅力」として見せるかを、分かりやすくお伝えしようというものです。

1巻#3 ネジ一個だよ人生は
1巻#3 ネジ一個だよ人生は
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 今回はこの『宇宙兄弟』の初代担当編集者であり、コルクの代表を勤める佐渡島庸平さんに、「就活」と「自己理解」について、お話を伺いました。

コルク代表 佐渡島庸平さん
コルク代表 佐渡島庸平さん

佐渡島さんはいま、コルクの代表として、学生さんを採用する側にいますね。いろんな学生さんにお会いになっていると思いますが、魅力的に感じる学生さんは自己理解ができているとか、その辺はどうなんでしょう、何か感じていらっしゃることはありますか?

佐渡島:そうですね。そもそもの話をすると、就活って、学生が接する初めての苦しい体験だと思うんですね。

初めての苦しい体験、ですか、なぜでしょう。

佐渡島:なぜかというと、それまでずっと、家でも学校でも「居場所が与えられている」中で生活してきたわけですよ。家では「あなたはあなたらしくあっていいよ」と、どんな自分でも受け容れてもらえたし、大学では授業料を払っていますから、お金を払って自分の居場所を作っていたようなものです。

なるほど、言われてみれば。

佐渡島:ところが、就活生になって急に、「自己理解して、その自分の能力で居場所を見つけなさい」と要求されるわけです。

自分の能力はお金になるのだろうか

佐渡島:でも、就活生にとってすごく難しいのは、社会でいったい自分の何が強みになるのか、よく分からないことです。だって、一度も社会に出たことがないんだから。たとえば、女性にモテるとか、スポーツができるとか、偏差値が高いとか、学生時代には強みになったことが、「それは仕事とは関係ないよね」ということになってしまう。

たしかに。環境が変われば、何が強みとして通用するかも変わってしまう。

佐渡島:そう。だから実は、就活生は自己理解を深めるだけじゃなくて、社会のことも理解して、社会の要求と合致するものを自分の強みとして出さないといけない。つまり、これまでやったことのない2つのことを同時に求められているわけです。

そう考えると、難しいですね。

佐渡島:しかも、自分の能力をお金に換えられるのか、という問いまで突きつけられる。

厳しい。社会人になるって、そういうことですね。

佐渡島:そうそう。「月々25万円、30万円の給料に値するアウトプットを出せる人材だということを言葉だけで証明しろ」と言われるわけじゃないですか。お金になるだけの強みや能力が自分の中にあるのか、自信が持てずに、すごく不安になると思うんです。

 ただね、就活生には社会のことは分からないと思うんです。

社会に出たことないから。

佐渡島:そう、出たことないから。だから分からなくてもいい。車の免許と一緒ですよ。

車の免許?

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