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「知の巨人」ミンツバーグ教授の資本主義論は、必読!

第17講 ヘンリー・ミンツバーグ カナダ・マギル大学デソーテル経営大学院教授

 1980年代の黎明期から、世界の経営学を支えてきた一人である、知の巨人。一方で、筆者の見解ではヘンリー・ミンツバーグ教授の言説は、1990年代から2000年代の初頭まで、科学的な手法を重視する現代の経営学のメインストリームからややずれる存在であったようにも思う。だからこそ、逆に今、彼の言説はとてつもなく重いのだ。なかでも今回、本書で示された主張は、単純な経営のあり方にとどまらず、国家のあり方にまで鋭いメスを入れ、米国的な資本主義を礼賛する視点が、いかに現実からずれているかということを、我々に問う。そんなミンツバーグ教授の第17講は、本書の中でも特に必読である。ビジネスに携わるすべての人に読んでほしい。

 いかがだろうか。繰り返しになるが、本書はどこから読んでも面白い。気になったところから、ぜひ読み進めてほしい。本書を通じて、現代ビジネスの知の巨人から、様々な知的興奮を得てほしい。

脚注:本稿の執筆にあたって、一部の経済学者の知見に関し、大阪大学の安田洋祐准教授の助力をいただいた。ここに感謝したい。しかしながら、本稿で紹介した経営学者・経済学者の紹介・グルーピングの責任はすべて私にある。
日経BPから『世界最高峰の経営教室』を刊行しました。

ポーター、コトラー、ミンツバーグ……
世界標準の知性は
今、何を考えているのか?

【世界トップのスター研究者による全17講】
ポーター教授のCEO論/ダイナミック・ケーパビリティ/両利きの経営/オープンイノベーション/コトラー教授から、ニューノーマルのマーケティング論/社会的インパクト投資/ステークホルダー理論/パーパス経営/リーダーシップの経営心理学/マーケットデザインで読み解く起業マネジメント/ネットワーク効果で読み解くプラットフォーマー/デジタルトランスフォーメーション(DX)/AIと雇用の未来/AIとアルゴリズムの進化論/日本のイノベーション力/デジタルマーケティング/ミンツバーグ教授の資本主義論

【推薦の言葉】
■安田洋祐氏(大阪大学大学院経済研究科准教授)
「経営論を超えて生き方から資本主義の未来まで。知の巨人たちのビジョンは、不確実なこの世界を進むための羅針盤だ!」
■入山章栄氏(早稲田大学大学院、早稲田大学ビジネススクール教授)
「まさにドリームチーム。ビジネスに示唆のある先端知見を持つ、最高の研究者をノンジャンルで集めた、世界を見渡しても他におそらく存在しない唯一無二の1冊」
■御立尚資氏(ボストン コンサルティング グループ シニア・アドバイザー)
「経営者は経営の玄人だが、往々にして経営学は素人同然だ。経営学者のほとんどが経営の素人なのと変わらない。なので、日々の決断と理論とを結びつけることができれば、世にも稀(まれ)な競争優位性ができあがる。本書の価値は、その結び付けの道しるべであることだと思う」
■野中郁次郎氏(一橋大学名誉教授)
「世界一流の経営論の本質を俯瞰(ふかん)する物語が生き生きと織り込まれた。 自らの経営論をつくらんとする読者の絶好の指南書」