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「AIが人間の雇用の47%を奪う」の真意とは?

第13講 マイケル・オズボーン 英オックスフォード大学機械学習教授

 本書の中で、唯一、ベイズ統計による機械学習など、ビジネスではなくテクノロジーそのものを専門にしているのが、マイケル・オズボーン教授だ。同氏は2013年に発表した共著論文で、「AIが人間の雇用の47%を奪う」というショッキングな数字を示し、世界で一躍、注目を集める存在になった。ただ、筆者の見るところ、オズボーン教授の真意は十分に伝わっていないように思う(私はオズボーン教授とご一緒したことがあるが、たいへんに優しい性格で、誠実・真摯な方だった)。「雇用の47%を奪う」の本当の意図とは何か。実は、そこには単純な恐怖や危機感ではなく、「我々は未来に向けて、どのような仕事をしていけばいいのか」についての展望がある。本講では、世界でもっとも注目される機械学習の専門家の真意に耳を傾けたい。

実力派女性経済学者による「オークション理論」

第14講 スーザン・エイシー 米スタンフォード大学経営大学院教授

 ノーベル経済学賞の登竜門とされるジョン・ベイツ・クラーク賞を2007年、女性として初受賞していた実力派経済学者。米マイクロソフトのチーフエコノミストとして、自身の専門分野である「オークション理論」を、オンライン広告の入札の仕組みに応用するなど、理論と実務をつなぐ研究を続けてきた。本講では、IT 企業の競争力の源泉とも言えるアルゴリズムの進化について、最前線の知見を披露する。マイクロソフトやグーグル、アマゾンなど、プラットフォーム型のビジネスを模索する米国のIT 企業が、エイシー教授をはじめ、経済学における一流のアカデミア人材を積極的に登用していることにも、注目したい。

MITから日本に提言「単純なものづくりから脱却せよ」

第15講 マイケル・クスマノ 米マサチューセッツ工科大学(MIT)経営大学院教授

 世界的な経営学者の中で、最も日本通といっていい人物ではないか。マサチューセッツ工科大学で「MIT メディアラボ」を立ち上げ、組織の大変革を成し遂げた経験を持つマイケル・クスマノ教授は、学者として超一流であると同時に、優秀な実務家の顔も持つ。そんなクスマノ教授が日本に提言するのは、「単純なものづくりから脱却せよ」。このメッセージは実に重い。

エグゼクティブ教育の権威が語る「デジタル時代のリーダー」論

第16講 ドミニク・テュルパン スイスIMD 教授・前学長

 エグゼクティブ教育の権威にして、大変な日本通。所属するIMDは、世界屈指のビジネススクールであると同時に、エグゼクティブ教育に特化したユニークな存在として知られる。特に、忙しい人たちが気軽に参加できるオープンプログラムには定評があり、フィナンシャルタイムズ(FT)によるランキングで9年連続、世界1位の評価を得ている。そんなIMDの学長をつい先日まで務めていたドミニク・テュルパン教授は、世界のエグゼクティブの考え方を熟知するまさに第一人者だ。本書では日本通である彼が、日本が苦手とする、デジタル活用を進めるリーダーの条件を語る。