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欧州トップスクールで大人気の「禅的リーダーシップ論」

第9講 ナラヤン・パント 仏インシアード経営大学院実践教授

 欧州の超名門ビジネススクール、仏インシアードで今、最も人気のある教員の一人。もともとは戦略論を専門とし、米ニューヨーク大学スターン経営大学院、カナダ・アルバータ大学、シンガポール国立大学などで教鞭をとってきたが、近年は、実践的なリーダー教育に軸足を移している。心理学の要素を多分に取り込みながら、禅的な色彩も帯びる包括的なリーダーシップ論は、日本人との相性もいいだろう。

GAFAの理解に役立つ「マーケットデザイン」

第10講 スコット・コミナーズ 米ハーバード経営大学院准教授

 先に述べたように、ビジネスに応用される学術分野は、経営学だけではない。近年ではむしろ若手を中心に、経済学研究のビジネスへの応用が急速に進んでいる。そのような若手経済学者の代表的な人物の一人が、スコット・コミナーズ氏である。彼の専門分野はマーケットデザインである。マーケットデザインは聞き慣れない言葉かもしれないが、米グーグルや米ウーバー・テクノロジーズが手掛けるプラットフォームの構築により、新しい取引の仕組みが作られている現代、これらのビジネスを理解するのに役立つ概念である。コミナーズ氏はこういった新しい取引の仕組みの専門家であり、本講では、これからのビジネスを考えるうえで示唆に富む論考を展開する。

ケーススタディの名手による、プラットフォーマー論

第11講 デビッド・ヨフィー 米ハーバード経営大学院教授

 コミナーズ氏とは逆に、経営学、それも実務の視点を存分に取り入れた経営学の立場から現代ビジネスを語れる第一人者が、デビッド・ヨフィー教授だ。ハーバードビジネススクールでおそらく最も多く企業のケースを書いている一人であり、同校の学生で、ヨフィーの手になるケーススタディを読んだことのない人はいないのではないか。私も米国で教鞭を執っていたときは、ヨフィー教授のケーススタディを頻繁に使っていた。そんな「企業事例の超エキスパート」が語るプラットフォーマー論は、実に示唆に富んでいる。

DXのことは、まずはウェイド教授に聞け

第12講 マイケル・ウェイド スイスIMD 教授 兼DBT センター所長

 日本でも注目が集まっているキーワードである、デジタルトランスフォーメーション、略してDX。世界で今、DXに通じる教授といえば、マイケル・ウェイド教授。DXについて知りたければ、まずはウェイド教授に話を聞け、ということになっている。本書では、実は日本通でもある彼から、日本でDXが進まない理由を尋ね、そこから浮かび上がる、日本企業がDXを進めるための手がかりをつかんでいく。