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 さて、この2軸を基に本書に登場する17人をマッピングしたのが、下のマトリクスだ。このマトリクスに17人の研究者が満遍なく配置されることから、本書が非常にバランスよく構成されていることが分かる。このマトリクスを地図のように使いながら『世界最高峰の経営教室』を読み、知の巨人たちが導く世界を探索してほしい。

世界標準の経営・経済学研究者のマトリクス
教授の名前の後にある「講」は、書籍『世界最高峰の経営教室』の中で登場する位置を示す

 参考までに、4象限に分けて、17人を再度一覧してみよう。

[大御所] × [アカデミア]
デビッド・ティース(ダイナミック・ケーパビリティ/第2講)
チャールズ・オライリー(両利きの経営/第3講)
コリン・メイヤー(パーパス経営/第8講)

※ アカデミアでも、やや実務寄りの大御所
マイケル・ポーター(CEO 論/第1講)
フィリップ・コトラー(ニューノーマルのマーケティング論/第5 )
マイケル・クスマノ(日本のイノベーション力/第15講)
ヘンリー・ミンツバーグ(資本主義論/第17講)

[大御所] × [実務]
ロバート・ポーゼン(ステークホルダー理論/第7講)
ナラヤン・パント(リーダーシップの経営心理学/第9講)
ドミニク・テュルパン(デジタルマーケティング/第16講)

※ 実務でも、ややアカデミア寄りの大御所
ヘンリー・チェスブロウ(オープンイノベーション/第4講)

[気鋭] × [アカデミア]
ジャズジット・シン(社会的インパクト投資/第6講)
スコット・コミナーズ(マーケットデザインで読み解く起業マネジメント/第10講)

[気鋭] × [実務]
マイケル・ウェイド(デジタルトランスフォーメーション(DX)/第12講)
マイケル・オズボーン(AI と雇用の未来/第13講)

[大御所と気鋭の中間] × [アカデミアと実務の中間]
スーザン・エイシー(AI とアルゴリズムの進化論/第14講)

[大御所と気鋭の中間] × [実務]
デビッド・ヨフィー(ネットワーク効果で読み解くプラットフォーマー/第11講)

 次回は、これら17人のスター研究者の立ち位置とその論考のエッセンスを紹介する。

脚注:本稿の執筆にあたって、一部の経済学者の知見に関し、大阪大学の安田洋祐准教授の助力をいただいた。ここに感謝したい。しかしながら、本稿で紹介した経営学者・経済学者の紹介・グルーピングの責任はすべて私にある。
日経BPから『世界最高峰の経営教室』を刊行しました。

ポーター、コトラー、ミンツバーグ……
世界標準の知性は
今、何を考えているのか?

【世界標準のスター研究者たちによる全17講】
ポーター教授のCEO論/ダイナミック・ケーパビリティ/両利きの経営/オープンイノベーション/コトラー教授から、ニューノーマルのマーケティング論/社会的インパクト投資/ステークホルダー理論/パーパス経営/リーダーシップの経営心理学/マーケットデザインで読み解く起業マネジメント/ネットワーク効果で読み解くプラットフォーマー/デジタルトランスフォーメーション(DX)/AIと雇用の未来/AIとアルゴリズムの進化論/日本のイノベーション力/デジタルマーケティング/ミンツバーグ教授の資本主義論

【推薦の言葉】
■安田洋祐氏(大阪大学大学院経済学研究科准教授)
「経営論を超えて生き方から資本主義の未来まで。知の巨人たちのビジョンは、不確実なこの世界を進むための羅針盤だ!」
■入山章栄氏(早稲田大学大学院、早稲田大学ビジネススクール教授)
「まさにドリームチーム。ビジネスに示唆のある先端知見を持つ、最高の研究者をノンジャンルで集めた、世界を見渡しても他におそらく存在しない唯一無二の1冊」
■御立尚資氏(ボストン コンサルティング グループ シニア・アドバイザー)
「経営者は経営の玄人だが、往々にして経営学は素人同然だ。経営学者のほとんどが経営の素人なのと変わらない。なので、日々の決断と理論とを結びつけることができれば、世にも稀(まれ)な競争優位性ができあがる。本書の価値は、その結び付けの道しるべであることだと思う」
■野中郁次郎氏(一橋大学名誉教授)
「世界一流の経営論の本質を俯瞰する物語が生き生きと織り込まれた。 自らの経営論をつくらんとする読者の絶好の指南書」