日本の独特な就職の仕組みは外国人にとって魅力もある!?

 ジョブ型は大学などでの専攻と就職がリンクしています。このため海外の新卒の就職は良い成績でインターンをしないと難しい。学生の時にいろいろなインターンをすることが欠かせません。

 しかし日本では文学を専攻していても銀行に就職するという学生が普通にいます。これは欧米や中国では非常に難しいことです。日本に留学する中国人に多いのは専攻とは違う仕事に就きたいというケースです。就職を希望する業種と違う分野を専攻していても、日本の企業は職場で研修を実施してくれるのでキャリアをスタートさせやすい。これは一部の学生には魅力的といえるでしょう。

 外部要因としては、中国では新卒の3割が就職できないという厳しい状況があります。日本よりもはるかに多くの学生が就職できません。米国も就労ビザを取得するのは厳しい。欧州は新卒学生の失業率が高いという現実があります。日本は外部要因である就職環境という意味ではいいポジションにいます。だから日本で働けるなら働きたいと考える人が増えているように思います。

それでも多くの外国人留学生が、希望しても日本企業になかなか就職ができないのはなぜなのでしょうか?

九門:外国人が希望しても日本での就職が難しいのは、高い日本語能力を求められるからです。就職情報会社の調査にもありますが、日本の企業が外国人に求める資質は、まず日本語のコミュニケーション能力です。多くの企業が日本語能力試験1級か2級という要件を求めます。

 しかし日本語で話ができても書くのが苦手な外国人は結構多い。エントリーシートや履歴書を書くのにも苦労します。日本語を書いたり、読んだりするハードルは高いのです。中国人のように漢字圏の人でも難しいので、非漢字文化圏の外国人には非常に難しいと言えるでしょう。

 日本語能力にこだわりすぎると優秀な人材を逃がしてしまいます。それなのに日本企業は、日本語コミュニケーション能力を真っ先に求める。それでは、多くの外国人が活躍する日本企業の国際化はなかなか実現できません。東大の大学院で英語の授業をしていて、相当できる優秀な学生だけど、日本語がそこまでできない。それでも日本で働きたい人は多いのです。日本語にこだわりすぎると、こうした人材を取り逃がすことになります。優秀でも、大手など希望する企業に就職できない外国人は数多くいます。

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