青野:例えば、社員によく突っ込まれるのは、ツイッターでの発言です。

 私は普段からよく、ツイッターで発信するのですが、その内容だったり、言葉遣いだったりを社員の人たちがチェックしていて、「この言い方は違うと思います」「この内容では誤解を生むと思います」と。

 そういうときは、まず「ごめんなさい」。その後、「これからはこうします」と、改善提案をします。

 これが、すごく健全なコミュニケーションである気がしているのです。

岸見:そうですね。

ツイートを猛省する社長

青野:そうやって社員に向けて反省の言葉を口にすることで、またチャレンジができます。これが例えば、「こんなことになるなら、ツイッターはもうやめてください」と言われてしまったら、進歩がなくなってしまいます。けれど、私はチャレンジして、失敗して、反省して学び、次に改善が生まれているわけですから、ツイッターでの発信は、以前より上手になっているはずです。

岸見:そこで申し上げたいのは、「ごめんなさい」もいいですが、それに付け加えるとしたら、「失敗を指摘してくれてありがとう」という言葉でしょう。

 そういう言葉を社長がかけることで、社員に「貢献感」を持ってほしいと思います。

青野:なるほど。

謝られても困る

岸見:例えば、デートの約束をしていたのに、電車が遅れ、相手との約束の時間に間に合わないということがあった。相手が幸い、自分が遅れたにもかかわらず、待ち合わせ場所で長い時間、待ってくれていたなら、開口一番の言葉は「ごめんなさい」でもいいのですが、「ありがとう」ではないでしょうか。

「待っていてくれて、ありがとう」

 そう言葉に出すことで、待っていた恋人は、自分の行為で相手に貢献できたというふうに思えるでしょう。

 それに、電車が遅れたのであって、特に悪いことをしたわけでもないのに謝られても、相手にしてみれば困る、という思いも、もしかしたらあるかもしれません。

 社長と社員の関係に置き換えれば、社長の言動に、社員がコメントしたとはいえ、社長が特段、悪いことをしたわけではありません。ただ、社員のコメントによって、社長が言動を改善するきっかけになればいいことですし、ひいては会社に貢献することにもなります。それが、コメントした社員にも分かるように一言、「ありがとう」と、付け加えられたらいいのではないかと思います。

青野:そうですね。まさに、貢献感。そこが大事なのですね。

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