岸見:人の力では、どうにもならないことに対して、あらゆる手立てを尽くして対応しなければならない。そこで結果が出ないことは当然あります。

 しかし、そのような今回の状況下で、いよいよ信頼を失ったリーダーもいれば、業績が瞬く間に悪化して回復せず、結果が出ていなくとも、これまで以上に信頼を高めたリーダーもいます。

 その違いが何かと言えば、間違いを間違いと認められるかどうか。失敗を受け入れられるかどうか。いつでも失敗を受け入れ、進路変更する準備ができているかです。

 「この人は、自分が不完全であっていいのだということを分かっているリーダーである」と思えば、今の若い部下たちはついてくると思います。逆に、威厳を保とうとして、失敗を隠す、情報を隠蔽するようなリーダーは、たちまち信頼を失います。そのような事例を、現に私たちは、たくさん見ているのではないでしょうか。

社長が社員に「ごめんなさい」

自分の過ちを認めて撤退した、ということが、青野社長にはありますか。そういうとき、どんなことに気をつけていますか。

青野:そうですね。社員に対し、「ごめんなさい」という言葉を多用します。

岸見:なるほど。

青野:ほぼ毎日、使っているかもしれませんね。「ごめんなさい」を。これは経験的に学んだことで、私が「ごめんなさい」と言うだけで、部下の人たちが、社長の私の失敗をどれほど快く受け入れてくれるかが、大きく変わる。

 今では、私が何か、部下の人たちの目から見て、マズイことをしたとしても、社員たちは、「青野さん、いいチャレンジでしたよ!」と、言ってくれます。「青野さんのアレは、失敗でしたが、いいチャレンジでしたね!」と(笑)。

 それはやっぱり、私が「ごめんなさい」という言葉を口にしたからです。私がもしも、「これは私の失敗ではない」なんて言い出していたら、「いいチャレンジだった」なんて、言ってくれませんよね。

それは例えば、どういうチャレンジなのですか。

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