<span class="fontBold">「日経ビジネスLIVE」とは</span>:「読むだけではなく、体感する日経ビジネス」をコンセプトに、記事だけではなくオンライン/オフラインのイベントなどが連動するプロジェクト
「日経ビジネスLIVE」とは:「読むだけではなく、体感する日経ビジネス」をコンセプトに、記事だけではなくオンライン/オフラインのイベントなどが連動するプロジェクト

 将来のリーダーとして期待される若手ビジネスパーソン。部下や後輩が笑顔で頑張れるチームをつくるために必要な最初の一歩は、自分やメンバーの「感情」と上手に向き合う方法を身につけることだ。『苦手な人が気にならなくなる本 戦わないコミュニケーション』(日経BP)の著者で、コミュニケーションコーチの山﨑洋実氏は、特に怒りや失敗に伴う「負の感情」に振り回されない技術が重要だと指摘する。上役からの叱責、思うように動いてくれないメンバー、責任ある仕事でのつまずきなど、リーダーが直面する様々な負の感情と上手に付き合う方法について聞いた。

 山﨑氏は、8月17日開催のウェビナー(オンラインセミナー)、日経ビジネスLIVE「あなたを強くするビジネススキル」シリーズに登壇する予定(詳細は記事末尾に)。

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職場のリーダーになると、様々なメンバーをまとめなければならず、仕事の責任も重くなります。ストレスがかかる場面が増えますが、怒りや不安などのマイナスの感情と折り合いをつける「技術」を身につけることが大切だそうですね。

山﨑洋実氏・コミュニケーションコーチ(以下、山﨑氏):人間は、感じて動く「感情」の生き物ですから、日々、感情に振り回されながら生きています。自分の中で湧き上がる感情だけではなく、周囲の人の感情にも振り回されています。仕事をしていると特に、「怒りの感情」と「失敗したときの感情」に翻弄されることが多く、上手な付き合い方を身につける必要があります。

<span class="fontBold">山﨑洋実(やまさき・ひろみ)氏</span><br>コミュニケーションコーチ<br>旅行会社、大手英会話学校勤務を通して接客、人材育成に携わる。2000年にコーチングに出合い、体系的に学ぶ。豊富な事例を用いながら伝える講座は「目からウロコ」「元気になれる」と話題に。人気講座「戦わないコミュニケーション」は、無理をせずに職場の人間関係を円滑にできる点が好評で、企業セミナーなども多数開催している。雑誌掲載、テレビ出演多数。著書に『苦手な人が気にならなくなる本 戦わないコミュニケーション』(日経BP)がある。
山﨑洋実(やまさき・ひろみ)氏
コミュニケーションコーチ
旅行会社、大手英会話学校勤務を通して接客、人材育成に携わる。2000年にコーチングに出合い、体系的に学ぶ。豊富な事例を用いながら伝える講座は「目からウロコ」「元気になれる」と話題に。人気講座「戦わないコミュニケーション」は、無理をせずに職場の人間関係を円滑にできる点が好評で、企業セミナーなども多数開催している。雑誌掲載、テレビ出演多数。著書に『苦手な人が気にならなくなる本 戦わないコミュニケーション』(日経BP)がある。

 まず、怒りの感情についてお話しします。怒りは、とても大きなエネルギーを持っていて、ぶつけられるほうもぶつけたほうも疲弊してしまいます。ただ、怒りが世の中を変える原動力になったりもしますから、悪者扱いせずうまく付き合うことが大切です。

 上役などから怒りをぶつけられたときに、ダメージを受けにくくすると同時に、自分も部下や後輩にいたずらに怒りをぶつけないようにするために、まず覚えておくことがあります。それは、怒りが生じるのは、相手のせいでも、環境のせいでもなく、その人自身が「怒ること」に決めているからだということです。

 私自身のごく身近な例で紹介しますね。ある日、家族で外出から帰ったときに、私が朝リビングに干した洗濯物を見て、夫が「干し方が気に入らない」と怒り始めたんです。洗濯物は朝から同じ状態で、朝見たときは何も言わなかったのにです。外出で疲れていたからなのか、朝は「怒らない」選択をした夫が、帰宅後は同じ状況を見て「怒る」選択をしたということです。

怒りの原因は、その人自身の中にあるということですか。

山﨑氏:そうです。同じ状況でも、怒る場合と怒らずにいられる場合がある。怒ってしまう人もいれば、怒らずにいられる人もいる。つまり、相手が怒っているのは、あなたが怒らせているというよりは、相手があなたの言動に、いわば「勝手に」反応して怒っているんです。

 怒っているのは相手の問題であって、周囲に非があるかどうかとは全くの別問題。この「区別」ができるようになると、心に余裕が生まれて、怒りの感情をぶつけられたときにネガティブな影響を受けにくくなります。

それで洗濯物の件はどう処理したんですか?

山﨑氏:「気になるなら自分で干せばいいじゃない!」と怒りをぶつけ返すこともできますが(笑)、こう返しました。まず、「そうか、この干し方が気になるんだね」と「見留める」。そして、「朝はバタバタして慌てていたので、次回は洗濯物を干すのを手伝ってもらえたら助かるんだけど……」と、冷静にこちらの気持ちを伝えました。相手が家族だとなかなか難しいんですけどね(笑)。

「見留める」というのはどういうことですか?

山﨑氏:相手や自分のありのままを「認める」という意味で私はよく使っています。認めるという言葉の語源が、「見る」「留める」だそうですが(編集部注:諸説あり)、「見留める」というのは、自分はこうなんだ、相手は自分とは違うんだということを心に留めることだと考えています。相手の言動や自分の中で湧き上がった感情に対して、いいとか悪いとかジャッジをするのではなくて、まずは「そうなんだ」と受け入れるということです。

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