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 withコロナ時代に、企業の価値観によって大きな違いが出る意思決定がある。

 これを機にリモートワークを一気に推進するのか、あるいは、対面でリアルな場を社員が共有する価値をこれからも重視するのか。

 IT業界にも、後者の立場に立つ「出勤重視」の会社はある。ジャパネットの髙田旭人社長も「全面リモート」は選ばないという。

 ジャパネットの社風は「アットホームでストイック」。詳細は、髙田社長の自著『ジャパネットの経営』に詳しいが、そんな自社の強みを生かすには「場の共有」は欠かせない。

 しかし、再度の感染拡大。社員の安全を守ることと、チームワークのいい社風を生かすことを、どう両立させていくのか。試行錯誤は続く。例えば、オフィス。ジグザグに置いた特注アクリル板に、オンライン会議専用ブースなど。進化を続けるオフィス風景を、写真を交えてご紹介する。

(構成/荻島央江)

 緊急事態宣言の解除後、皆さんの働き方はどう変わったでしょうか。

 あれから2カ月、新型コロナウイルスの感染者は再び増加。感染防止策を徹底しながら、経済活動を拡大していくことの難しさを感じます。

 ジャパネットでは、6月から在宅勤務を段階的に解除し、6月下旬には、ほとんどの社員が出社するようになりました。けれど、その後の感染拡大を受けて、7月下旬から一部の社員を再び在宅勤務に切り替えています。

 刻々と変化する情勢に対し、経営者としてしっかりと意思決定を下していきたいと思います。

原則出社か、在宅シフトか

 緊急事態宣言が解除された5月25日、多くの経営者が一つの選択を迫られたと思います。Withコロナの働き方として、リモート重視を選ぶのか、出勤重視にするのか。このとき、私は「原則出社」を選びました。

 ジャパネットは「アットホームでストイック」な社風です。そんな会社のメンバーが、同じ場に集まる意味は大きい。先日、対談したサイバーエージェントの社長の藤田晋さんにはすごく共感するところがあり(そのときの記事は、こちらに)、すべての業務をリモートで回すとなると、自分たちの会社は今より確実に弱くなるはず。その考えは、今も基本的に変わりません。

 その前提に立ったとき、いかにしてコロナ禍のなかで、社員が安心して、やりがいを持って働ける環境をつくっていくか。今回は、そんなジャパネットの試行錯誤をお伝えしたいと思います。

出社を再開したころ。東京・麻布のオフィス(写真:稲垣純也)