オーナー経営者の自分がやることは、社員がやっても許せることでないといけません。だから皆さんが会社の車を私用で使うのなら、社員が家族旅行に行くときでも営業車で行かせてあげないといけない。もちろんガソリン代も会社持ちです。それを不満に思うのであれば、会社の車を私用には使わないことです。もし、どうしても私用に使うのなら、購入費と維持費の1割を支払ってください。

「会社の車を私用で使うのは当たり前」。そんな意識の社長が経営する会社は儲からない
「会社の車を私用で使うのは当たり前」。そんな意識の社長が経営する会社は儲からない

 公私混同や私利私欲を排除した皆さんが良い会社を作ることに邁進した結果、儲かったら役員報酬をたくさん受け取ればいいんです。負っている責任が社員と違って重いのですから当然です。経営者が公私混同をしていて儲かってもいない会社というのは、当然、役員報酬をたくさん受け取ることができません。仕方ないから、会社のお金に手を出したくなるわけで、悪循環なんですね。

 皆さん、オーナー経営者ですから儲かった分、バランスシートの利益剰余金はすべて自分のものになります(もちろん、それをすべてキャッシュアウトしろと言っているのではありません)。

役員報酬の金額をどう設定するか

 そこでよく聞かれるのが「経営者の報酬はどうやって決めればいいですか」という質問です。その会社の業績にもよりますが、1つの目安として、メガバンクの支店長クラスの金額は受け取っていいのではないかと思います。大体、年収で2000万から2500万円といったところでしょうか。

 同業他社よりもっと儲かっているなら、5000万円でも7000万円でも構わないでしょう。私のお客さまでも、そのくらい受け取っている方は結構いらっしゃいますから。でも繰り返しますが、社員が納得するかという視点は忘れないようにしてください。良い会社をつくって、社員に働きがいがあり、世間に比べて納得できる給料を支払っていれば文句は言いません。

 がめつい社長は社員の給料を少しでも減らそうとします。でも私は正反対の考えです。もともとは私がつくった基準ではなくて、経営コンサルタントの一倉定先生のお話を聞いて共感した考えです。

 一倉先生は「給料は自分の会社と同じ地域の同業他社より1割多く払ってあげなさい」とおっしゃっていたそうで、まさに言い得て妙だと思うのです。給料が同業他社より安いと社員はプライドを持てないし、生活の満足度も下がりますよね。でも逆に1割も多いと満足度は高くなります。

(この記事は書籍『どんなときでも稼ぐ社長がやっている経営習慣36』の内容を基に構成しました)

 経営コンサルタントの小宮一慶氏が20年以上にわたり、多くの大企業や中堅・中小企業の経営者や経営を見た経験から導いた経営の原理原則を1冊の本にまとめました。

 新型コロナの感染拡大で経営環境は大きく変わりましたが、経営の本質や原理原則は変わりません。それどころか、その重要度は今まで以上に増しています。

 経営の原則となる考え方をすぐに実践できるよう、分かりやすく解説しています。現在の自社のレベルを確認できるチェックリスト付きです。ご自身の経営を振り返り、明日に生かすきっかけとしてご活用ください。

●こんな経営習慣を紹介しています
・数値目標より先に、お客さまが望むことの目標を設定する(経営習慣06)
・会社の土台を朝礼で鍛える(経営習慣09)
・自分の関心を世間の関心に合わせる(経営習慣18)
・社員が同じことをしても許せるか(経営習慣28)
・長所を生かせ、短所にこだわるな(経営習慣34)

詳しくはこちら

この記事はシリーズ「Books」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。