日経ビジネスの取材に対し、2019年時点で「2020年にもリーマン・ショックを超える経済危機が到来する」と予言していた世界的な投資家のジム・ロジャーズ氏。5月25日に日経BPから出版した新刊『危機の時代 伝説の投資家が語る経済とマネーの未来』では、大恐慌からブラックマンデー、リーマン・ショック、新型コロナウイルスまで歴史を振り返りつつ、繰り返される危機の本質とどのように行動すべきかを詳細に読み解いている。

 今回は『危機の時代』の一部を抜粋して、子どもを将来お金に困らないように育てるためにはどうすればいいのかについて、ロジャーズ氏の考えを紹介する。

 私は子どもたちに借金を含めたお金の扱い方を教えている。子どもたちが生まれたときに、お金を貯めることを学べるようにと、私は5つの貯金箱を用意した。

 私は2人の子どもたちに、お金を使うより先に、節約することを知ってほしいと思っている。それを学ぶことは本当に大事だ。子どもたちが成長してお金を稼ぐようになって「節約の習慣が私を救ってくれた」と思ってくれることを、私は望んでいる。

 子どもたちがお金をもらった時はどうすればいいのか。私は娘たちに、「いったんお金を貯金したほうがいい」と伝えている。そうできなければ、子どもたちは普段からお金を使いたいと思っているので、いつか問題が発生するだろう。

 だから、お金をむやみに使うのではなく、節約することが大事だという基本をまず教えることが重要だ。もちろん、子どもたちは、将来、そのお金を使うことができる。ただし、自分が何をしているのかをきちんと理解し、お金の使い方をコントロールできるようになった場合に限るべきだ。

6歳の時からピーナッツ売りのアルバイトをしていたジム・ロジャーズ氏は、お金持ちの家庭で育ったとしても「若い頃から子どもに働く経験をさせるべきだ」と考えている (写真:的野 弘路)

 失敗せずにお金持ちになるのは困難だ。もちろん親から財産を相続することもあるだろう。しかし多額のお金を相続した人は、自分がしていることを知らず、お金についても無知な場合が多いので、資産を失う可能性が高くなる。

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