新型コロナウイルス禍という逆境の中でも営業収入を伸ばすなど、好調な推移を見せる男子プロバスケットボールリーグのBリーグ(公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ)だが、2026~27年のシーズンに向けて、かつてない大改革を進めている。

 プロスポーツリーグでは昇降格制度を導入するのも珍しくない。例えば、Jリーグではリーグ戦終了後にJ1とJ2や、J2とJ3の間で入れ替え戦が行われる。Bリーグでも現在はB1とB2間におけるクラブの入れ替えが行われているが、これを廃止する。B1とB2、B3とディビジョンごとにライセンス基準を満たしたクラブが、その都度参入する「エクスパンション型リーグ」を目指す。

 ライセンス基準は、競技力ではなく「事業力」を重視した内容になっている。例えば、新B1の場合、「収容人数5000人以上で、スイートルーム設置や試合日設置などの基準を満たすホームアリーナ」「売り上げは12億円以上(バスケ関連事業で9億6000万円以上)」「1試合あたりの平均入場者数は4000人以上」というもの。この条件を満たしていれば、試合成績によって降格することはなく、さらに22~23年シーズンのB1には東・中・西地区をあわせて24チームが属するが、新制度ではクラブ数の条件は設けない(ただし26~27年シーズンのみ、新B1は原則最大18クラブ)という。

Bリーグの島田慎二チェアマン(左)と川崎ブレイブサンダースの藤掛直人・事業戦略マーケティング部長(写真:竹井俊晴)
Bリーグの島田慎二チェアマン(左)と川崎ブレイブサンダースの藤掛直人・事業戦略マーケティング部長(写真:竹井俊晴)

藤掛直人・DeNA川崎ブレイブサンダース事業戦略マーケティング部長(以下、藤掛氏):26年の大改革に取り組まれる理由を、改めてお聞かせいただけますか。

島田慎二・Bリーグチェアマン(以下、島田氏):まずこのBリーグ構造改革は、当時のチェアマンであった大河正明さんが19年7月に発表しました。私がチェアマンに就任したのは20年7月なのですが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大もあり、具体的な進捗がなかったのです。そこから要件定義などをもう一度整理し直したという経緯があります。

 大前提として、アリーナなくして、Bリーグやクラブの成長や発展はないと考えています。Bリーグでは、各チームがアリーナも持ち、人が集まる場として地域での存在価値を高め、地域を盛り上げる役割を担いたい。例えば、琉球ゴールデンキングスは、新基準を満たす「沖縄アリーナ」を完成させ、今年5月4日開催の千葉ジェッツ戦では、クラブ主管試合の最多観客数記録となる8263人の入場者数(※)を達成しました。

※その後、「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP SEMIFINALS 2021-22 琉球ゴールデンキングスvs島根スサノオマジック(GAME2/22年5月22日(日)/沖縄アリーナ)」で8309人を記録。

 一方で、アリーナの建設には自治体の協力が必要です。アリーナを建設してもいつかB2に降格して入場者数が減るということでは、官民ともに投資がしづらい。そこで、競技成績による昇降格という制度は見合わないと考えました。