豊かな景気停滞期に培われたスゴさ
メンバーシップ型のメリットを享受してきた古い世代と、地方で活躍するジョブ型志向の強い若い世代。この2つの志向に分かれる世代間には、育った経済環境と生活環境に大きな違いがあります。
メンバーシップ型の世代が育った時代は、日本経済も生活環境もどんどん良くなっていきました。ジョブ型志向の世代は、生活環境はもう十分豊か、という時代に育ちましたが、経済は停滞していました。そのため大学を卒業しても就職氷河期に直面したり、非正規の仕事についたりしています。
端的にいえば、高度経済成長やバブルを経験した私たちの世代は、家のトイレがくみ取り式から水洗に替わり、便器も和式から洋式になった生活の変化を経験しています。若い世代は生まれたときから、洋式トイレのある家に育っています。
そうした豊かな時代に生まれ育った若い世代が、地方で、家業にイノベーションを起こしたり、伝統産業の価値を高めてビジネスを再生したり、社会課題を解決する事業を軌道に乗せたりしているのです。
なるほど、ジョブ型志向の若い世代と、メンバーシップ型志向の世代との違いを分析することでも、これから伸びる経営が見えてくるのかもしれませんね。次回は、地方で成功している若い経営者たちが実行しているという「六方よし経営」について具体的に教えてください。
藻谷:はい。
日本を元気にする新しいビジネスのかたち。
「三方よし」+「作り手よし」「地球よし」「未来よし」=「六方よし」
人口減少で、地方から衰退しつつある日本、
その中で、新しいビジネスを立ち上げた人たちがいる。
地方で、イノベーションを起こしたり、伝統産業の価値を高めて、改めてビジネスに仕立てたり、社会課題を解決する事業を軌道に乗せたりしている。
そこには「六方よし経営」があった。
担い手の多くは、1980年代・90年代の若手だ。
起業家、新規事業に挑戦する経営者、I・Uターン志望者、必読の書。
主な内容
・「六方よし」に至る典型的なプロセス。越境学習→価値の発見…
・既存事業と地域を活性化している「六方よし経営」の事例6
・社会課題を解決している「六方よし経営」の事例4
・地域資源の価値を高めている「六方よし経営」の事例8
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