13万部突破のベストセラー『2040年の未来予測』の著者・成毛眞さんと、4月に『ミドリムシ博士の超・起業思考』を出版したユーグレナ社執行役員 研究開発担当の鈴木健吾さんの対談、後編です。今回は2人の子育てを端緒としながら、2040年に向けてこれからの時代に活躍する人材を育てるにはどうすればいいか、を語り合います。「地球上で最も父親と長い時間を過ごした女子高生」だった成毛さんの娘さんが、大手商社のユーグレナへの出資にも関係していたという不思議な縁が明らかになりました。

ユーグレナ社のバイオ燃料を使用したフライトが2021年6月4日に初めて実施された(写真提供:ユーグレナ社)
ユーグレナ社のバイオ燃料を使用したフライトが2021年6月4日に初めて実施された(写真提供:ユーグレナ社)

1日5時間ファイナルファンタジーをやり続けた娘の就職先は?

前回、研究開発を進めるために異なる専門分野の人たちが世界中から集まってネットワークをつくる中で、日本人がほとんどいないという話が出ました。鈴木さんの本には、子育てについての考えが書かれている部分もありますが、子供をグローバルに活躍する人材に育てるには、何をしたらよいと思われますか?

鈴木健吾氏(以下、鈴木):本には「サイエンスの世界で成果を上げるには論理的な思考力が必要で、子供の頃からその素地をつくることも大事」と書きました。一方で今は、自分の価値観を子供に投影しようとするのはおこがましいとも感じています。そこが本を書いたときとは考えが少し変わったところです。

 今、小学生の息子が将来どんな分野に進むか分かりませんが、本人の興味や関心を尊重して、やりたいことを成し遂げられる人になってくれたらいいな、と思っています。ただ、どの分野で活躍するためにも論理的な思考力は重要だというのが僕の意見です。

鈴木さんは微細藻類のユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養を実現したときも、ロジックツリーを活用したそうですね(参考記事「研究者よ、なぜ『ロジックツリー』をもっと使わないのか!?」)。

鈴木:どんなことを成し遂げるにしても、課題を適切に認識して、それを解決するためのアプローチにはどんなものがあるのか整理するためには、論理的思考が役に立ちます。そのため、子供には、今日何がやりたかったのかを書き出してみて、それに対してどうやったらより楽しめたかということを話したりしています。

 あとは、新しい経験をなるべくさせてあげたいと思っています。実物を見たら分かることはたくさんあるので、イメージを膨らませられるよう、子供が興味のありそうな場所に連れて行くようにしています。

成毛眞氏(以下、成毛):僕には娘がいまして、もうとっくに親元を離れて子供も産んでるんですけどね。娘は生涯で一度も塾に行ったことがないんですよ。小中は国立の付属学校に行ってたんですけど、塾に行かず勉強もそんなにしてなかったので、付属高校には進学できなかったんです。で、別の高校に行ったらあんまり学校に寄り付かなくなって、僕とファイナルファンタジーを1日5時間やってました。本人いわく、地球上で最も父親と長い時間を過ごした女子高生に違いない、と(笑)。2000時間くらい一緒にいましたからね。

それは楽しそうですね。

<span class="fontBold">鈴木 健吾(すずき・けんご)</span><br l>ユーグレナ 執行役員 研究開発担当<br l>1979年生まれ。2005年、東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程在学中にユーグレナを設立し、取締役就任。16年、博士(農学)学位取得。18年より現職。19年、博士(医学)学位取得。理化学研究所 微細藻類生産制御技術研究チーム チームリーダー、マレーシア工科大学 マレーシア日本国際工科院 客員教授、東北大学未来型医療創造卓越大学院プログラム 特任教授(客員)を務める。写真は2007年のもの。
鈴木 健吾(すずき・けんご)
ユーグレナ 執行役員 研究開発担当
1979年生まれ。2005年、東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程在学中にユーグレナを設立し、取締役就任。16年、博士(農学)学位取得。18年より現職。19年、博士(医学)学位取得。理化学研究所 微細藻類生産制御技術研究チーム チームリーダー、マレーシア工科大学 マレーシア日本国際工科院 客員教授、東北大学未来型医療創造卓越大学院プログラム 特任教授(客員)を務める。写真は2007年のもの。
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