世界で新型コロナウイルスワクチンの接種が進んでいることを受け、景気回復の色が鮮明になってきている。一方で、米国の景気過熱に対する不安は世界の株式市場の懸念材料でもあり、年明けに3万円台に回復した日経平均も3月以降、上値が重くなっている。
 このような景気回復局面における株式投資はどうすればいいのか。このたび新著『NISAで利回り5%を稼ぐ高配当投資術』を執筆した楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジストの窪田真之氏に、高配当銘柄を中心とする日本株投資術を指南してもらった。

日経平均の上値を抑える「2つの不安」

 2020年4月以降、世界景気の回復期待が強まるにつれて勢いよく上げてきた日経平均ですが、21年の3月以降は弱い動きとなっています。2つの不安が上値を抑えています。

(1)緊急事態宣言延長で、日本の景気回復が遅れる不安
(2)米景気が2021年後半に過熱する不安

日経平均週足(2020年1月6日―2021年6月8日)
(出所)楽天証券マーケットスピードより作成

 私は、日本の景気回復が遅れているのはさほど気になりません。米国や中国の景気回復の恩恵を受け、いずれ日本の景気も回復の色が強まると考えているからです。

 ただし、米景気が過熱するリスクには神経質にならざるを得ません。米景気が好調を通り越して過熱してしまうと、その反動で2022年米景気が失速するリスクが高まるからです。米国では、ワクチン接種が進みリベンジ消費が盛り上がるタイミングで、1.9兆ドルの財政出動が出ます。大規模な金融緩和も、継続される見通しです。

 何でもかんでも良い材料を2021年にすべて出し尽くしてしまうリスクが心配されています。2021年、景気対策のやり過ぎで米景気が過熱し、2022年に反動で失速すると日本の景気も腰折れとなり、米国株も日本株も上がらなくなります。

 米国および日本の株価上昇が長続きするためには、米景気が過熱することなく、巡航速度による拡大が、2021年・2022年と続くことが必要です。

 ここで、先ほどの日経平均週足をもう一度、ご覧ください。2020年6月と7月の間に線を引いています。私はここが景気の転換点と判断します。日本と世界の景気は6月までが後退期で、7月から回復期に入っていると考えます。この回復期が長続きするか、あっという間に終わってしまうかは、米国次第でしょう。

 そうした中で、日本株投資はどうしたらよいでしょうか? 私は、利回り4%以上の高配当株から投資をするのがよいと思っています。今回、2つの高配当株投資例をご紹介します。攻めの5銘柄と、守りの5銘柄です。この2パターンで分散投資していくことが肝要です。

続きを読む 2/3 「攻め」と「守り」の意味

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