作家はなぜ「クリエイター」と呼ばれるのか
それにしても、本当に人生を生きている人間相手に作られたFFS理論の「フレーム」を、宇宙兄弟の登場人物たちがちゃんと受け止めて、分析に耐えてしまうというのがつくづく驚きでした。これだけ説得力のある行動を見せる人間たちが、マンガの中にいる、一人の作家の想像から生まれる、というのが信じられないんですけど。
佐渡島:そうですよね。やっぱり作家が「クリエーター」や「創造者」だと言われるのは、お話を作るからではなくて、人間を再現しているからだと僕は思うんです。人間を作れるから、創造者なんだなと。
編集者の役割とは何なのかということを作家と話すときに、「設定の打ち合わせは編集者と作家でできますよ」と言うんですよ。
つまり、物語の粗筋を作ったり、設定を考えたりするのはブレストで作家と編集者が共同作業でできるんだけれども、そこにいる人たち、キャラクターたちがリアルで生き生きとしているかどうかというのは、それは作家の領分です。『宇宙兄弟』は、小山さんが創造者として人物を生み出し、その物語を見てきた、という感じですよね。
ですよね。そして、悪人、悪いヤツというのが1人もいなくてこれだけ面白いというのはすさまじいことだと思うんです。
佐渡島:一見、一瞬、悪く感じるときがあっても。
はい、ビンセントさんとかゲイツ氏とか、弁別性や保全性の特徴が良くも悪くも強く出た人ですね……おお、我ながらぱっと浮かぶなあ。
佐渡島:でも、彼らもちゃんと成長したり、あるいは真の姿を見せてくれる。その人、その人に、自分なりの正しさや大事なものを持っているから、「アプローチが正しければそうなるんだ」と、希望を見せてくれる。
そうですよね。本には簡易版の自己診断も付いていますが、宇宙兄弟が好きな方にはぜひ、アクセスコードを使ってWebで25キャラクター診断を受けてほしいと思います。ちなみにご自身ではどのキャラクターがお好きですか。もし聞いてもよろしければ。
佐渡島:僕はムッタが好きですけどね、やっぱり。でも(本の著者の)古野さんがずっと僕を「ブライアンだ、ブライアンだ」と言っていて、それでテストを受けたら本当にブライアンでした。Yさんは拡散性が高いでしょ?
そんなにはっきり分かりますか……。
(後半に続きます)
個人の力を引き出し、チーム全体の歯車をかみ合わせるために、ソニー、ホンダ、LINEなど約800社が採用する「FFS理論」。
FFS理論の視点で人気コミック「宇宙兄弟」の名シーンを読んでいくことで、
「自分の知らなかった自分自身の強み、その活かし方」
「他人の個性を理解する手がかりの見つけ方」
「チームの力の引き出し方」
が、どんどんインプットされていきます。
本書購読者限定の「Web診断アクセスコード」が付いているので、自分の強み、弱み、そして自分に近い宇宙兄弟のキャラクターがすぐ分かります。ぜひお試しください。
(お詫び:本書籍はすでに売り切れが相次いでおります。現在大量増刷中です。ご迷惑をおかけして誠に申しわけございません)
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