髙田:オフィスのサイズはこれからどうされますか。狭める選択肢もあると思いますが。

藤田:確かに在宅シフトの間は、オフィス面積を減らせるかもしれないと考えました。が、当面は慎重です。交通費の削減についても。

 接待交際費にしても4月、5月と大幅に減って、冗談交じりに「これ、いいね」なんて、当時は話していました。しかし、実際問題として、オフィスを削減してリモートメインにすることで得られるものと失うものを天秤に載せたら、明らかに失うもののほうが大きいと感じます。

 何しろ、ネット産業は、まだ右肩上がりで伸びている産業ですから。もしも、これが先行き厳しい産業なら、効率化を加速するという意味で、オフィス面積を縮小することも選択肢に入るでしょう。

オンラインで他者を信じられるか?

リモートワークの推進は、リーダーシップのあり方にも変化をもたらすでしょうか。

髙田:変化が必要だと感じています。出勤する社員が減ると、社員の表情の変化を、リアルに感じるチャンスが減ります。社内ですれ違うことがほとんどなくなるわけですから。

 だから、リーダーは、今まで以上に想像力を膨らませる必要があって、在宅で働く人、オフィスで働く人、コールセンターで電話を取る人など、立場が違う人たちのそれぞれの心の動きや悩みを想像し、ケアしていかないといけない。それができないと、「自分は、会社にとって要らない存在ではないか」と、悲観的に捉える社員がどんどん増えていくでしょう。

藤田:確かに、髙田さんが今、おっしゃったことは重要です。僕はまた違った角度の課題も感じています。

 リモートワーク期間中に、社内で事業の決算戦略説明会を実施したのですが、「社員は申し込めば、誰でも参加できる」ということにしました。もちろん「そこで聞いたことはインサイダー情報だから、外部には一切漏らしたらダメ」という約束です。結果として、200人以上が参加しましたが、そこで僕が自覚したのは、直接、顔を合わせていないと、最後の最後、100%信用できる気持ちにはなかなかなれない、ということです。

 僕らは性善説に基づいたマネジメントをしているけれど、全部合わせると5000人以上いる社員が、Zoom越しに会社の機密に関わる話を聞いているとすれば、僕らにとっても、本人たちにとっても、「匿名」感があると思います。直接、顔を合わさないで信頼関係を築くことの難しさを痛感しました。

髙田:確かに。商談も同様で、正直、オンラインでは限界を感じるときがあります。

リモートワークでは、リーダーに今まで以上の想像力が求められると語る髙田社長(スクリーンショット撮影:稲垣純也)
リモートワークでは、リーダーに今まで以上の想像力が求められると語る髙田社長(スクリーンショット撮影:稲垣純也)

次ページ 「効率的に働く成功事例」を数多く出していけるか