リモートワークには、難しいと感じる部分があるのですか。

藤田:リモートワークだけだと、どうしても個人主義、成果主義に傾きがちですよね。社員一人ひとりが何をしているかがリアルに見えない以上、個々人の目標や仕事の内容をあらかじめ細かく明確に定義して、その達成度合いを測らなくてはならない。となるとおのずと、個人主義、成果主義に近づきます。

 けれど、僕らはチームワークをすごく意識してきた組織です。新卒採用も、全社員で手伝うといったカルチャーなので、ちょっと向いていない。

髙田:もっとシビアな話をすると、当社の場合、在宅ワークを進めるなかで、「あれ、この仕事って、よく考えたら要らなくない?」という発見が結構ありました。

在宅ワークで業務の断捨離

世間では、「通勤しているだけで働いていない人の存在が浮かび上がった」などという辛辣な声も聞かれます。

高田:それは、要らない「仕事」があった、ということ。ジャパネットでは、緊急事態宣言の解除後、大規模な人事異動をしました。対象者は20人以上。これまで、必要度の低い仕事をさせてしまっていた人たちに、もっと有意義な仕事をしてもらいたい。そのために必要なのは、業務の断捨離です。細かいところでは請求書のPDF化だとか定例会議の削減だとか。

藤田:うちの場合、そういう業務の断捨離はちょっとまだ足りないかもしれない。新規事業の立ち上げの話ばかりしていたから。

どんな新規事業ですか?

藤田:新型コロナの影響でリモートワークをする会社が増えたことから、ハンコの廃止であるとか、今まで動きが鈍かったものを一気に進める方向に社会が動きましたよね。そんな流れを生かした新規事業を考える会を、4月にZoomで開いたのです。そこで16案が決議され、そのうちの2つはもう新会社を設立して、ガンガン進めています。

4月に設立したのは、「OEN(オーイーエヌ)」と「MG-DX(エムジー・ディーエックス)」ですね。OENは、ライブのオンライン配信や課金システムの構築などを支援する会社。MG-DXは、薬局やドラッグストアのデジタル化を支援する会社。いずれもアフターコロナ、ウィズコロナに対応する新規事業ですね。既存事業はどうですか。

藤田:「ABEMA」は、報道がキラーコンテンツになって、かなり伸びました。ゲームもすごく伸びた。広告はどうしてもマイナスの影響を受けましたが、新型コロナが追い風になった業種もあって、そういった会社からの出稿が増えてきました。4月はまだ各社とも慎重でしたが、5月から、オンライン系、動画系の会社で、攻めに転じる動きが出てきています。

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