藤田:髙田さんは、マーケティングにしても働き方改革にしても、数字で全部きちっと根拠を示して、論理的に説明しているじゃないですか。こう計算すれば、この仕事は2割削れるよね、と。それは多分、二代目だから根拠を示さないといけないというところで、もちろん、頭がいいからできるんだけど。

 僕はあれはやれない、というか、担当役員がやってくれる。それはある意味、創業社長だからラクできる部分。「イケると思うから」みたいなノリで、組織を動かせる。

髙田:だって、圧倒的な実績があるから。

藤田:みんなが勝手に天才みたいに思ってくれて。

髙田:いや、本当に天才ですから。

 そんな藤田さんに質問したいことがあります。

 僕の父は、めちゃめちゃ顔が売れていて、その大変さも身近に見てきたからこそ、僕は、逆にこれまで、外部への情報発信をあまりしていませんでした。SNS(交流サイト)も見るだけで、自分からの発信はほとんどしてこなかった。でも最近、やっぱりきちんと発信したほうがいいような気もしてきました。ただ、やるとなると多分、これは結構、精神的にタフでないとムリだろうな、とも感じる。

 藤田さんは僕にSNS、勧めますか。

藤田社長、SNS発信にアドバイスください!

藤田:(SNSには)メリットとデメリットがあって、当たり障りのないことを書くと面白くないから読まれないし、当たり障りがあることを書くと面白くて読まれるんだけど、たたかれやすくて、結果、バランス感覚は磨かれる。バランスボールだと思ってやればいい。バランスボール感覚で練習、かな。

髙田:藤田さんはSNS、やめようとしたことはないんですか。

藤田:やめようとしたことはない。ただ、自分の中での「売り出しどき」みたいな時期があって、そのときは積極的に発信していたのを、今は量を抑えて、質を大事にするようになりました。

 髙田さんには、やっぱり、お父さんのイメージがすごすぎるところがあると思う。迷っているというネットでの情報発信も。そのことを自覚しないと、お父さんの影に苦しんだりするかもしれない。

藤田社長といえばブログ。2004年から続く「渋谷で働く社長のアメブロ」
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