藤田さんはそんな髙田さんのことを、髙田さんの自著を読んで見直したんですよね。どのあたりに感心したのですか。

藤田:両親を尊敬していて、だからこそコネで社長を継ぎたくないって、頑張って東大に入学したり、あえてコネの効かない証券会社に就職したり。入社してからも、息子として厚遇されるのは断固拒否して、実力で勝負してきた。理想の息子ですよね。

 ジャパネットとサイバーエージェントは結構、会社の雰囲気が似ていると思う。社員同士の仲がよくて、ジャパネットなんかはもともと長崎の会社だから、よりアットホームだろうとは想像しますが。そんな会社の中で、髙田さんが、お父さんと売り上げを競って真っ向勝負したりしていたというのは、意外でした。ゲーム感覚ではあっても。

髙田親子の知られざる緊張関係

お父さんの髙田明さんがまだ社長だった、2013年ごろのことですね。

 当時、お父さんの明さんは社長として佐世保にいて、副社長の旭人さんは東京オフィスにいました。佐世保でも東京でも通販番組を制作していたので、いつの間にか、どちらのほうが売れるかの勝負になっていった。そんな当時のエピソードが、自著で紹介されています。

 最初は、旭人さんが率いる東京が優勢だった。それなのに、お父さんが、旭人さんをはじめ、東京のチームに厳しいことばかりを言うから、旭人さんは、思わず「数字では東京が勝っている。それでノーと言われるのは違うと思う」と反論してしまいます。

 すると、お父さんはカチンときたのか、「俺は今から休まない」と宣言し、テレビの通販番組に出ずっぱり。土日でも生放送があれば出演するようになり、そこから一気に佐世保の数字が東京を上回るようになった……。

 そんな、親子の知られざるバトルも、自著では多く紹介されています。

藤田:ああいうお父さんとの緊張関係は、本を読むまで全然、知らなかった。

ほかにも、お父さんの明さんと自分の意見が分かれたとき、どちらに賛成するか、居並ぶ役員に二者択一の挙手を求めるとか……。

藤田:ただ、大前提として、髙田さんはお父さんを尊敬している。そこも感心する。

 考えてみれば、僕自身の論理は、お父さん(明さん)の側にある。僕は創業者だし。

 本の中で、お父さんは長嶋茂雄で、自分が目指すべき方向性は野村克也といったところではないかと、髙田さんは書いていました。僕はハッキリ言って、長嶋茂雄ですよ(笑)。

創業者は、感性で判断するし、感性で判断することが許される。そういう側面は、確かにありますよね。

オンライン会議アプリで語る藤田社長(スクリーンショット撮影:稲垣純也)
オンライン会議アプリで語る藤田社長(スクリーンショット撮影:稲垣純也)

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