あの優良企業がなぜ倒産? 近年、話題になった倒産劇から失敗の法則を探る『なぜ倒産 令和・粉飾編 ― 破綻18社に学ぶ失敗の法則』が近日、発売される。本書の刊行に合わせて本稿では、日経ビジネス編集部のある部員が個人的によく知る倒産劇から教訓を引き出す。

 こんにちは。私は長年、日経BPのさまざまな媒体で経営破綻や企業再生の取材をしてきました。そのなかで残念に思うことの一つに、専門家などから見ると破産させる必要がない会社を、経営者が破産させてしまうケースが今も多いということがあります。経営者自身も、自己破産する必要がないのに自己破産する道を選んでしまうことがあります。その結果、個人資産のほぼすべてを失ってしまうにもかかわらず、です。

 これらのケースで破産する必要がないのはなぜか? どうしたら破産しないで済むのか? そんなことを今回から数回に分けて、私がたまたま個人的によく知っている事例を使って、お伝えしたいと思います。企業と個人が特定されるのを避けるため、取材対象者はもちろん、私自身も名を明かさず、事実関係などを一部変更してお伝えすることをご了承ください。

会社が破産したら、経営者も自己破産し、自宅などを手放さなくてはならないのか? 必ずしもそんなことはない(写真/PIXTA)
会社が破産したら、経営者も自己破産し、自宅などを手放さなくてはならないのか? 必ずしもそんなことはない(写真/PIXTA)

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