2021年1月に成毛眞さんが出版した『2040年の未来予測』がベストセラーになっています。今回は、そんな成毛さんと、4月に初の著書『ミドリムシ博士の超・起業思考』を出版したユーグレナ社執行役員 研究開発担当の鈴木健吾さんが対談しました。

 成毛さんが立ち上げた投資コンサルティング会社インスパイアは、ユーグレナ社の創業初期に出資および業務提携を行っています。成毛さんがユーグレナ社への投資を決めたのは、ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養を成功させた鈴木さんとの居酒屋での会話がきっかけだったそうです。成毛さんはどうやって、投資すべきかどうかを見極めているのでしょうか。

企業の採用では中学受験向けの算数の問題を解かせてみて地頭の良さを見ればよい、というのが成毛眞氏の持論だ(写真:123RF)
企業の採用では中学受験向けの算数の問題を解かせてみて地頭の良さを見ればよい、というのが成毛眞氏の持論だ(写真:123RF)

飲み屋で「不溶性多糖類」について話す

鈴木さんが出版された『ミドリムシ博士の超・起業思考』に、ライブドア・ショックの影響で窮地に陥ったユーグレナ社の救世主として成毛さんが登場していますね。

成毛眞氏(以下、成毛):あれって、いつごろでしたか?

鈴木健吾氏(以下、鈴木):ライブドア・ショックが2006年の1月17日、インスパイアとユーグレナ社が資本提携したのが5月31日なので、その間だと記憶しています。

成毛:飲み屋でお話ししましたよね。

鈴木:取締役会でお話しして、その流れで居酒屋に行った気がします。一緒に魚肉ソーセージなどを食べましたよね。

そのときの印象などお話ししていただけたら……。

成毛:子どもの頃から人が何をやっているかは鮮明に覚えているのですが、顔と名前が一致しないのです。なので、印象というよりそのとき起きた事実を記憶しています。

 会ったときにユーグレナ(和名:ミドリムシ)にはパラミロンという不溶性多糖類が多く含まれていることや、パラミロンの産業利用の可能性についてお話ししたのは記憶していますね。

鈴木:そちらを覚えていただくほうがいいかなと思っています。私の顔などのインターフェースは些末(さまつ)なことです。私も人の顔や名前があまり覚えられないのですが、その代わり、その人の研究テーマなどで覚えていることが多いです。

 私はお会いした日のことを鮮烈に覚えています。成毛さんはサイエンスや技術についてのリテラシーが高く、会議室だけでなく飲み屋であってもかなり深い議論ができました。こちらが少し説明をすると、本質的な質問を次々と投げかけられて驚いたんです。

 さらに、新しい技術や商品を世の中に広めていくための具体的なアドバイスをくださり、その場で適切な人に連絡までしていただいたのを覚えています。ユーグレナ社の大きな販売チャネルとなったテレビショッピングの利用は、成毛さんとの会話からスタートしたんです。私自身も、こんなふうに物事を前に動かしていける人物になりたいと思いました。

<span class="fontBold">鈴木 健吾(すずき・けんご)</span><br />ユーグレナ 執行役員 研究開発担当<br />1979年生まれ。2005年、東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程在学中にユーグレナを設立し、取締役就任。16年、博士(農学)学位取得。18年より現職。19年、博士(医学)学位取得。理化学研究所 微細藻類生産制御技術研究チーム チームリーダー、マレーシア工科大学 マレーシア日本国際工科院 客員教授、東北大学未来型医療創造卓越大学院プログラム 特任教授(客員)を務める。
鈴木 健吾(すずき・けんご)
ユーグレナ 執行役員 研究開発担当
1979年生まれ。2005年、東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程在学中にユーグレナを設立し、取締役就任。16年、博士(農学)学位取得。18年より現職。19年、博士(医学)学位取得。理化学研究所 微細藻類生産制御技術研究チーム チームリーダー、マレーシア工科大学 マレーシア日本国際工科院 客員教授、東北大学未来型医療創造卓越大学院プログラム 特任教授(客員)を務める。

成毛:鈴木さんと出雲さん(ユーグレナ代表取締役社長、出雲充氏)は、何を聞いても適切に答えてくれました。才能も知識もあるなと感心しました。

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