成功を収めたすべての人たちに共通するのは何か。それは、持てる「才能」を最大限に発揮し、自らの「強み」を磨いて、仕事に「活かす」術を知っていることだ。成果を上げるためには、何よりもまず自分のことをもっとよく知っておく必要がある。

 そのための方法を解説した『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』は、2001年に日本語版が出版され、累計100万部を突破するベストセラーとなった。同書新版の翻訳を手がけ、コーチングの講師でもある古屋博子氏は、6月15日開催のウェビナー(オンラインセミナー)、日経ビジネスLIVE「あなたを強くするビジネススキル」シリーズに登壇する予定(詳細は記事末尾に)。本インタビューでは、古屋氏に「才能とは何か」「どうすれば自分の武器にできるのか」を聞いた。

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まず、「才能」とは何なのでしょうか?

古屋博子氏・ギャラップ認定ストレングスコーチ、フラリシュ・コンサルティング代表取締役(以下、古屋氏):「才能」とは、無意識に繰り返される「思考・感情・行動パターン」の一種です。その中でも特に、成果と結びつくもの、結果につながるものを、この本(『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』新版)では「才能」と呼んでいます。何かを生み出す力といってもいいでしょう。

<span class="fontBold">古屋博子(ふるや・ひろこ)氏</span><br />ギャラップ認定ストレングスコーチ。フラリシュ・コンサルティング代表取締役。ギャラップ社でストレングス・コーチングコースなどの講師を務めるほか、『さあ、才能(じぶん)に覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』の翻訳も手がける。慶応義塾大学大学院で修士号(政治学)を、東京大学大学院で博士号(学術)を取得。
古屋博子(ふるや・ひろこ)氏
ギャラップ認定ストレングスコーチ。フラリシュ・コンサルティング代表取締役。ギャラップ社でストレングス・コーチングコースなどの講師を務めるほか、『さあ、才能(じぶん)に覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』の翻訳も手がける。慶応義塾大学大学院で修士号(政治学)を、東京大学大学院で博士号(学術)を取得。

 例えば、「コミュニケーション」の才能が豊かな人なら、印象に残るように語りかけたり、事実の羅列を1つの物語にしたり、抽象的なことを的確な言葉で表現したりすることによって、自然に他人とつながることができます。そのために必要な才能(思考・感情・行動パターン)が、その人に備わっているからです。

 1990年代、この本の著者たちは、約200万人を対象にしたインタビュー調査から「成果と結びつく、優れた行動パターン」を抽出し、いくつかのグループにまとめていきました。こうしてできあがったのが紹介されている「34の才能(資質)」です。

 混沌とした状況の中で最適解を見いだすのが得意な才能(戦略性)や、周囲の人の感情を察することができる才能(共感性)、現在を理解するために過去を振り返らずにはいられない才能(原点思考)など、才能にはさまざまな種類のものがあります。

大切なのは「上位にある才能」に注目すること

才能は誰もが持っているものなのでしょうか?

古屋氏:すべての人が、この34種類ある才能を持っています。が、どこに強みがあるかは人によって異なります。「コミュニケーション」の才能が上位にある人もいれば、下から数えたほうが早い人もいます。

 このときに大切なのが、「下位にある才能」ではなく「上位にある才能」に注目することです。上位にある才能を活かせば、成果を上げやすくなります。私たちは、どちらかというと「長所」より「短所」に目を向けてしまいがちです。そして、「欠点は改善すべきもの」と決めつけています。ほとんどの場合、長所を伸ばすことよりも、欠点を直すために多くの時間を割いているのではないでしょうか。

 しかし、それは間違いです。全く無視してよいわけではありませんが、いくら欠点を改善しようと頑張っても、良くて平均点です。それよりも、長所をさらに磨き上げれば、誰にも負けないパフォーマンスを短時間で手に入れることができます。長所を使って短所を補うことだってできるのです。

といっても、何が長所なのか分からない人も多いのではないでしょうか。

古屋氏:そこでこの本ではある仕掛けがあります。巻末のとじ込みに記載しているアクセスコードで、オンラインテストを受けられます。すると「前述した34の才能のうち、あなたの上位5つの才能が何か」が分かります。

 才能は一人ひとり独自のものであり、そこにこそ大きな「成長する可能性」が秘められています。実際にテストを受けた方からは、「長年一緒にいる人から、自分の長所を言い当ててもらったような感覚」「褒められたような気持ちになった」「自己肯定感が高まり、力が湧き出てくる感じがした」といった感想を聞きます。

 才能と呼ばれる行動パターンはどれも、他人にはまねできない、すごいことばかりです。しかし、当人にとっては自然にできてしまうし、やっていて楽しいので、「当然、皆ができるだろう」「できて当たり前だろう」と思い込んでしまう場合がほとんどです。すごいことができているのに、何がそんなにすごいのか、本人は全然それに気づいていない。実際にコーチングをしていると、そんな場面によく出合います。

 統計的なバックグラウンドと心理学の知見によって導き出された34の才能。当初は、前述したように約200万人のインタビュー調査が基になっていましたが、今では世界中で2500万人の人たちが活用しています。開発から20数年がたち、分析にはさらに磨きがかかっています。人の良いところや優れた点を確かめ合うための「共通言語」として、ぜひ活用してほしいと思います。

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