日経ビジネスの取材に対し、2019年時点で「2020年にも未曾有の危機が到来する」と予言していた世界的な投資家のジム・ロジャーズ氏。5月25日に日経BPから発売した新刊『危機の時代 伝説の投資家が語る経済とマネーの未来』では、大恐慌からブラックマンデー、リーマン・ショック、新型コロナウイルスまで歴史を振り返りつつ、繰り返される危機の本質とどのように行動すべきかを詳細に読み解いている。

 危機の際に資産を失う人は多いが、逆にチャンスを見つけて富を築く人も少なからずいる。今回は『危機の時代』で詳しく触れている、ロジャーズ氏がお金持ちになるために重要だとする考え方の一部を抜粋して紹介する。

 ジム・ロジャーズ氏が、お金持ちになりたい人が最も重視すべきだとするのは、「他人に頼らず、自分の頭で考える」ことだ。当たり前のようにも聞こえるが、世の中には「専門家が薦めているから」「ブームになっているから」といった理由でよく考えずに投資を決める人が少なくない。こうした投資スタンスは危ういとロジャーズ氏は警鐘を鳴らす。

 「多くの人がお金持ちになりたいと願っている。そこで理解しなければならないのは、みんな手っ取り早く儲けたいと思っていることだ。誰もがそう望んでいる。しかし、それではなかなかうまくいかない」

 「たくさんの人がホットティップ(とびきりの情報)を望んでいるので、そのような情報を私が与えなければ、人々はがっかりする。しかし、あなたが成功した投資家になりたいなら、誰かに頼っていると、うまくいかない。簡単に儲かれば、誰もが裕福になるはずだが、そうならない。ほとんどの人は投資に失敗する」

 「成功できないのは、簡単に儲かる方法ばかり探しているからだ。手っ取り早く儲けたい人は成功するために必要な努力をしたがらない。人生においてたった20回しか投資できないなら、あなたは必死になって調べてから投資するので、成功する確率は高いだろう。問題は誰も面倒な話を聞きたがらないということだ。人間は自分の耳に心地よい儲け話にすぐに飛びつく」

 お金持ちになるためには、「自ら情報収集に力を注ぐことが大事だ」とロジャーズ氏は指摘する。そして集めた情報をうのみにせずに、手間がかかっても分析する努力を惜しまないことが投資を成功させるカギになるとロジャーズ氏は考えている。

「投資は難しいと誰もが理解すべきだ」と語るジム・ロジャーズ氏 (写真:的野 弘路)

 「私の話を参考にして投資に成功した人は、私にもっと教えてくれと言うだろう。しかし失敗した場合、損失を補うために別の投資をしなければならなくなる。それは恐ろしいことだ。人は追い詰められると、投資すべきではない時に、海に飛び込むようにしてむやみにお金を投資してしまう。そんなときはドアを閉め、心を落ち着かせ、静かに待つべきだ」

続きを読む 2/4 危機の時に急いで飛び込んで何かをする必要はない

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