2020年11月に刊行され、30万部を突破するベストセラーとなった『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社)。一流のプロフェッショナル365人の仕事術や人生の極意を1日1ページで収録した。今年3月には、第2弾となる『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』も刊行。編集を担当した致知出版社・書籍編集部の小森俊司氏が、両書を通読することで浮かび上がる「一流の共通点」を明かす。

 世界一のモーターメーカーを育てた日本電産会長の永守重信氏と「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏。モーターとファッションと分野はまるで違えど、世界のトップになることを公言し、一代で日本を代表するグローバル企業に成長させた2人が発する言葉には、通じ合う部分が多い。

 『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』と『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』に収録したインタビューから、2人の考える成長する企業・衰退する企業の共通点を探る。

 最初に紹介するのは、永守氏が語った「会社がおかしくなる6つの要因」。2011年、東日本大震災の年に語った言葉だ。危機に瀕(ひん)した企業の多くを再建し、数々のM&A(合併・買収)を成功へと導いてきた永守氏だけに強い説得力を持つ。

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