あなたの考えていることは素敵。もっと自信を持っていい

梅田:僕は本を書くときは、「あなたが考えていることに、もっとあなたが自信を持っていいんじゃないか」という前提を持っています。広く発信するかどうかは別として、みんな素敵なことを考えているんだから、方法論を身につけてもっと表現したらいいと思って、『「言葉にできる」は武器になる。』などの本を出しました。

藤吉:なるほど。

梅田:「自分が考えていることは大したことではない」と思っている人が多いですよね。文章を書いたときに「よく分からない」と言われたり、考えたことや書いたことを否定され続けたりという経験から来るのかもしれません。でも、本当はそんなことないんです。

藤吉:「言葉にできていないけれども考えていること」を表現するための武器としての本、というわけですね。

梅田:一人ひとりの中にある世界はものすごく広大です。この現実世界よりも広いとすら思います。しかし、その中身に手を伸ばせるのは、自分だけです。その点で言えば、自分の核に手を突っ込んで引きずり出して言葉にするのは、自分の責任とも言えるかもしれません。

藤吉:確かに、『「言葉にできる」は武器になる。』は、いわゆる文章術の本とは違いますね。多くの文章術の本は「どう書くか」が中心ですが、梅田さんの本はタイトル通り「言葉にする」ことに重きを置いています。

梅田:はい。言語ではなく言語化が大事で、言語化すべき対象は、自分が考えていることに他なりません。その解像度を高めて、そのまま素直に言葉にするための本です。

藤吉:僕も「何を伝えたいか」をクリアにしておくことが非常に大事だと感じます。伝えたいことの中身の解像度を高めておかないと、文章の技法を駆使したところで何も伝わらない。メッセージのない文章になってしまいます。

梅田:藤吉さんの『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』は僕の本とは対照的で、文章術の本ですよね。

藤吉:そうですね。アウトプットをするときの具体的なノウハウをまとめた本です。

梅田:考える力も、書く力も、両方必要ですよね。この両端から攻めていく。

藤吉:はい。書くことで自分の考えや本当に言いたいことがクリアになって、いいものが書ける。さらに書くことで自分の世界が広がっていく。そういう良いサイクルにつながればいいと思います。

(文=梶塚美帆/写真=尾関祐治)

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