行き詰まったら、海に向かって「バカヤロー」と叫べ

藤吉:今、僕たちは誰もが言葉を自由に発信できる時代に生きています。それを活用して新しい情報を得る人がいる一方で、ネガティブな面で言葉の力が発揮されていることも多々あります。イライラした内なる言葉が、ためらいなく発信されているように感じるのですが……。

梅田:危機的な状況ですよね。超アナログな例えですが、海に行って「バカヤロー!」って叫べば、内面の問題はある程度解決するんじゃないかと僕は思います(笑)。あとは夜に考え込まないように早く寝ること。

藤吉:素敵(すてき)です(笑)。

<span class="fontBold">藤吉豊(ふじよし・ゆたか)</span><br/>文道 代表取締役。有志4人による編集ユニット「クロロス」のメンバー。日本映画ペンクラブ会員。 編集プロダクションにて、企業PR誌や一般誌、書籍の編集・ライティングに従事。編集プロダクション退社後、出版社にて、自動車専門誌2誌の編集長を歴任。 2001年からフリーランスとなり、雑誌、PR誌の制作や、ビジネス書籍の企画・執筆・編集に携わる。文化人、経営者、アスリート、グラビアアイドルなど、インタビュー実績は2000人以上。 2006年以降は、ビジネス書籍の編集協力に注力し、200冊以上の書籍のライティングに関わる。大学生や社会人に対して、執筆指導なども行っている。著書に『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』『文章力が、最強の武器である。』がある。
藤吉豊(ふじよし・ゆたか)
文道 代表取締役。有志4人による編集ユニット「クロロス」のメンバー。日本映画ペンクラブ会員。 編集プロダクションにて、企業PR誌や一般誌、書籍の編集・ライティングに従事。編集プロダクション退社後、出版社にて、自動車専門誌2誌の編集長を歴任。 2001年からフリーランスとなり、雑誌、PR誌の制作や、ビジネス書籍の企画・執筆・編集に携わる。文化人、経営者、アスリート、グラビアアイドルなど、インタビュー実績は2000人以上。 2006年以降は、ビジネス書籍の編集協力に注力し、200冊以上の書籍のライティングに関わる。大学生や社会人に対して、執筆指導なども行っている。著書に『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』『文章力が、最強の武器である。』がある。

梅田:だけど現実には、都会に住んでいると大声を出せる場所はないし、みんな社会性が強いので「迷惑なんじゃないか」「誰かに聞かれたらどうしよう」と思って、なかなかできません。だからと言って、SNSをはけ口にすると炎上する。もう地獄だなと。例えばスマホのメモやアナログなノートでもいいので、人に見られたら困るような言葉が書き連ねられた「心の闇ノート」は重要ですよね。

藤吉:「バカヤロー」って叫んですっきりする経験って、なかなか実現できないですよね。

梅田:叫べないから、たまっちゃって大変ですよね。

藤吉:自分が発信した言葉が相手にどう届くのかという想像力が欠如しているのでは、という意見も聞きますが、どう思われますか?

梅田:否定はしませんが、賛同もしません。想像力はその人のすべてと言ってもいいほど大事ですが、その想像力が他者の反応に向かうべきかは疑問です。言葉はその人の思考が形になったものです。例えばその人が、世の中からネガティブに思われることや、炎上するようなことを考えてはいけないのかというと、そんなことはない。自分の中の多面性の1つとして、悪い部分があることを否定する必要はないと思います。発信を制限することと、思うことを制限することは、まったく別の話ですよね。

藤吉:人は誰しも、何かしらネガティブな考えをしてしまうのが自然ですからね。考えることと発信することは、区別して考えたほうがいいですね。

梅田:個性はあってしかるべきなのに、人の思考にまで他人が入ってくるのは気持ち悪いですね。むしろそういう圧力がかかるほど、反発する力は強くなっていくんじゃないでしょうか。

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