質問で相手の考えを深め、「言葉」を導く

梅田:藤吉さんは、文章を書くときは何から始めるんですか。

藤吉:情報を集めるところからです。僕は経営者や識者の方が話してくださったことを本にまとめるのが主な仕事です。そのときに大事なのは「事前にどれだけ準備できるか」です。準備をして、どれだけの話を聞き出せるか。実は、文章にするというアウトプットよりも、その前の作業のほうが大変です。

梅田:取材相手の言語化を促すために、意識されていることはありますか。本にまとめるためには話してもらうこと、つまり、まず自分の思いや経験を言語化してもらうことが必須ですよね。

藤吉:そうですね。確かに、内にある思いが外に向いていなくて、人に伝わる言葉になっていないことがありますよね。

梅田:なっていないことのほうが多いように思います。

藤吉:そういう場合に必要なのは、やっぱり、質問をしていくことじゃないでしょうか。「なぜ?」「それで?」と聞いて、たまにこちらから「それってこういうことですか?」と投げかけます。「今おっしゃったことって、例えるとこういうことですか?」とか「それは、これとは違いますか?」とか。そこで改めてその方の言葉にしてもらったり、「そうです」と言われたりすることで、言語化の作業を進めていきます。

梅田:……あ、さっき僕の話に質問してくださっていたときも、そういう聞き方をされてましたね! どうりで答えやすかったわけだ(笑)。

藤吉:そうかもしれません(笑)。やっぱり、内にあるものを1つの言葉に集約させていく作業には、非常に時間がかかります。質問をしていくうちに考えが広がりすぎてしまうこともありますが、その場合は一回全部広げて、「こうですか?」「違いますか?」と言葉にしながら、その人の一番の思いをくみ取っていきます。

梅田:その作業が必要ですね。

藤吉:あと、相手の頭の中にあるぼんやりとした気持ちや思いを言語化してもらいたいときは、「それを感じた具体的な出来事は何ですか?」など、エピソードを尋ねるようにしています。

梅田:エピソードですか。

藤吉:はい。ぼんやりしているものを言語化するのは難しいですが、出来事なら思い出しながら話せますから。その出来事や経験を通して、本当の思いを導き出すこともありますね。エピソードを聞いた後に「その出来事から言えるメッセージは何でしょうか」と改めて質問すると、「あの経験から僕はこういうことを感じていたんだと、今気づきました」とおっしゃる方は多いです。

梅田:なるほど、それが藤吉さんにとっての「言葉にする」ということなんですね。

第2回に続く

(文=梶塚美帆/写真=尾関祐治)

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