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過去に経験したことがない大規模なばらまき

 世界中がロックダウンや自主規制を選んでも、「そうすべきではなかった」という自説を貫くロジャーズ氏。とはいえ、未曾有の事態の中では仕方がなかったとは考えないのだろうか。

 「これほどまでの事態は世界の歴史を振り返ってもなかった。日本航空を含む大半の航空会社が多くの路線を運休させ、世界中のレストランが休業に追い込まれた。その意味では、確かに前例のない、未曾有の事態だ。これが世界史上最悪の対応だったかどうかは、後から振り返らないと分からないだろう」

昨日、日本株を買った

 一方で、経済が悪化していても、株式市場はそこまで悲観的ではない。金融市場も機能している。ロジャーズ氏は市場環境をどう見ているのか。

 「今回、世界中の政府が莫大な借金をして、どんどん経済にお金を注入している。米国は世界最大の債務国だが、ほんの1~2カ月でさらに経済対策のために3兆ドル(約330兆円)もの借金を増やすことを決めた。日本も同様だ。日本銀行も毎日お金をせっせと刷って(日本株の上場投資信託=ETFの購入を通じて)株式や、債券を買いまくっている」

 「これほどの大規模なばらまきは過去に経験したことがない。世界中の国が大量にお金を刷っている。巨額のお金を使っている。そしてそれがマーケットに流れていく。もちろん(こうした動きを受けて)市場はいったん上昇基調になる可能性が高い。莫大なマネーが流入するときはいつでも、マーケットは極めて強気になる」

 「実は、昨日(5月18日)、日本株を買った。なぜなら、日銀が毎日株式を買っているからだ。私も同じようにしたほうがいいと思った。日銀は私よりもはるかにたくさん日本株を買っている。日銀が買い続けるなら、しばらく株価は上向くに違いない」