コロナ禍が長引き、自律神経を乱す人が増えているという。私たちが恐れるべきは、新型コロナウイルスへの感染だけではなく、これまでと違った生活を強いられることで、心身にダメージを負ってしまうこと。やりたい仕事を一生懸命やるというような、前向きのストレスであれば自律神経は乱れない。でも、その結果、生活習慣が乱れたら自律神経に影響する。怒っていいことは1つもない――。順天堂大学医学部教授で、『整える習慣』(日経ビジネス人文庫)著者である、小林弘幸氏インタビュー前編。

コロナ禍で自律神経を乱す人が増えている

コロナ禍で自律神経を乱す患者さんが増えているそうですね。こちらのクリニック(小林メディカルクリニック東京)にやって来る患者さんは、どういう方が多いですか。

小林弘幸氏(以下、小林):男性女性半々ぐらいで、若干女性が多いかなという感じです。コロナウイルスの陽性者ではないけれど、体調不良を訴える人が多くいらっしゃいます。

 東京や大阪など人口集積地でウイルス陽性者が再び増加、3度目の緊急事態宣言も発出されました。コロナ禍が長引き、今は国民全体が疲れ果てている感じです。先はまったく見えない。「1回手術したのによくならず、何回も再手術を繰り返す人」のようになってしまっています。

 昨年末ぐらいまで、私たちはどういう状況に置かれているのかよく分かっていませんでした。それが皆だんだんと気づくようになってきました。ウイルスに感染していなかったとしても、自分たちの心身はどこかおかしいんじゃないかと思う人が増えてきたようです。

ご著書『整える習慣』は、2015年に刊行した『一流の人をつくる 整える習慣』(KADOKAWA)を大幅加筆の上、文庫化したものですが、ベストセラーを快走中ですね。

小林:コロナ禍という状況が大きいかもしれません。今ほど、自らのコンディションを整える意識と具体的なノウハウが求められている時代はないからです。窮屈な現状で、ストレスが日々たまっていく。何かしないと心身のバランスが崩れていくばかりと、みんな思い始めたんでしょう。

 『整える習慣』というタイトルもシンプルなものですが、結果的には逆に強い言葉になって、今の時代に響いたのではと思います。

「自律神経の整え方を知れば、パフォーマンスは確実に向上します」<br/><br/><span class="fontBold">小林弘幸(こばやし・ひろゆき)氏<br/> 順天堂大学医学部教授</span><br>1960年、埼玉県生まれ。1987年、順天堂大学医学部卒業。1992年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任。自律神経研究の第一人者として、数多くのプロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。</a>
「自律神経の整え方を知れば、パフォーマンスは確実に向上します」

小林弘幸(こばやし・ひろゆき)氏
順天堂大学医学部教授

1960年、埼玉県生まれ。1987年、順天堂大学医学部卒業。1992年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任。自律神経研究の第一人者として、数多くのプロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。
続きを読む 2/3 良いストレス、悪いストレスの決定的違い

この記事はシリーズ「Books」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。