企業は何をすべきなのか

 危機に対応するために、企業は何をすべきなのか。まず負債を劇的に削減すべきだ。同時に顧客=取引先に注意する必要がある。借金の多い取引先は、危機の際にトラブルに陥り、代金を回収できなくなるリスクが高くなる。したがって、企業は自社の負債だけでなく、借入金が多い取引先にも注意する必要がある。企業は顧客を排除したくないだろうが、借金が多い顧客は短期間で問題が起きるリスクがある。

 いずれにせよ多くの債務を抱えている企業は問題があるので、それに対処し、準備する必要がある。危機が来ると顧客企業のいくつかは破産し、あなたが何も悪いことをしていなくても、あなたのビジネスに影響する。

 あなたの会社が過去に倒産したことがなく、借金があまりなくても、顧客の多くはトラブルに巻き込まれるため、顧客について心配する方がいいだろう。さらに、どの国とビジネスしているのかを、同様の基準で確認する必要がある。リスクが高い国の企業と取引をしていると、予想もできないようなトラブルに巻き込まれる可能性がある。

 さらに自分の会社が得意としていて、強みがあるビジネスに留まる必要がある。危機の際はビジネスを多角化してはならない。多くの企業は、新しいビジネスに進出し、多角化していないと、スピード感がないと批判されがちだ。

 しかし自分たちが知らないことをしようとすると、多くの場合、よりたくさんの問題が起きる。事業を多様化させている会社は、より多くのトラブルに巻き込まれやすい。それは企業の経営を間違いなく悪化させるはずだ。

 したがって、特に困難な時期は、自分が知っていることにフォーカスし、自社の借金を減らし、多くの借金を抱えている企業と取引しないように気をつけるべきだ。不必要な資産があるなら売却して、手元資金を増やしておくことも有効な手段になる。

 流動性を高めて、いざという時に備えておくことが必要だ。不必要なものを売り、借金を減らす。借金を減らし、あなたが最もよく知っている事業に集中するならば、困難を乗り越えられる可能性は高くなる。

ジム・ロジャーズ著『危機の時代 伝説の投資家が語る経済とマネーの未来』を日経BPから出版

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