金だけでなく、銀にも投資チャンスがある

 金も有望な投資先だ。しかし、危機の最初の段階で、金はしばしば下落する。資金不足に陥った人々が金を売って、現金を手に入れる必要があるからだ。このような場合、私は米ドルを売って金や銀を買うだろう。もちろん状況次第で、打ち手は変わるはずだ。(編集注:最近のロジャーズ氏は、金と比べて相対的に割安感がある銀への投資に積極的な姿勢を見せていた)

 危機の初期段階で金が一時的に下がったとしても、すぐに上がる。歴史を通じて人々は自分の国の経済が悪化し、通貨が下落すると、次に金と銀を買おうとするものだ。

 多くの学者は、「それはおかしい。金や銀を買っても仕方がない。役に立たない」と言うだろう。だが、気にする必要はない。多くの人は学者ではない一般の人々だ。問題が発生したら、彼らは金と銀を買う。大学教授は、人々がしたいことをさせてあげればいい。

 私も(今回の危機)以前から金と銀を所有しており、しばらく前に少し買い増した。金や銀が下落するタイミングがあれば、もっと買い増すだろう。すべての危機において、金と銀の価格はいったん下がったとしても、すぐに上がるからだ。

 今回の危機は非常に厳しいものになるので、大学教授や中央銀行が「金を買っても意味がない」と言っても、多くの人は気にしないで買うだろう。だから私は、金と銀をたくさん買って準備していた。

 とりわけ中国人は金が大好きだ。共産主義体制で経済の自由化が進む前は、金はあまり手に入らなかったうえに高かった。何より金を買うための資金を持っている人もあまりいなかった。今は中国で金を買うのは簡単だ。金の先物も金貨もあり、中国銀行の支店に行けば、金の延べ棒まで買うことができる。

 それでも他人の話をうのみにしないことだ。自分のやり方で投資したほうがいい。私は金と銀、そしてたくさんの米ドルを所有している。それは健全だからではなく、多くの人がそれを健全だと思うからだ。

 人々は、危機の際に、英ポンドやユーロなどの他通貨に比べて、米ドルが優れていると思うものだ。実際はそうでなくても、そのように考えて行動する。

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