ロシアがどこにあるか知らないならロシア債を買うべきでない

 私は今、ロシアの債券を所有している。ロシア債の利回りは高い一方で、ロシアの政府総債務残高はGDP比でそこまで悪化しておらず、相対的には健全性が高いと言えるだろう。

 それでも地図上でロシアがどこにあるかを知らないような人は、ロシア債を購入すべきでない。新聞やインターネットで誰かが「ロシア債に投資すべきだ」と言っていても、耳を傾けない方がいい。自分が理解できている投資先ではないからだ。

 私は地図上でロシアの場所を知っており、ロシアのブローカーを探す方法も知っており、現地に足を運んだこともある。「ロシアにどのように投資したらいいですか」と聞いてくる人に対し、私はこう答える。「ロシアに投資する方法が分からなければ、ロシアに投資すべきではない」。

 ロシアに投資する方法を調べる必要があるくらいなら、ロシアに投資すべきでない。私は1970年代から現在まで半世紀にわたり投資を続けているが、いつも成功しているわけではない。

危機の際に持っておくべき資産

 危機が起きた際には、どのような資産を持っておくべきなのか。私は米ドルをたくさん持っている。米国は世界で最も大きな借金を抱えており、爆発寸前である。しかも状況は日々悪化している。ではなぜ米ドルを持つのか。

 私たちは人々がどう考えてどのように行動するかを理解する必要がある。危機が起きると人々はこう考える。「米ドルは安全な避難所だ」、と。問題が発生すると、人々は安全な避難所を探す。彼らは米ドルが安全な投資先だとまず考える。

 だからこそ、米ドルは危機が起きると高くなる。危機がどれほどひどいのかに応じて、米ドルは高値になり、過大評価されるだろう。人々は米ドルを所有することを切望するはずだ。その時点で、私は米ドルを売って何か別のものに投資する。

 もちろん危機の際にどう行動すべきかは、何が起きたかに依存する。だがおそらく米ドルを除く、大半の通貨は下落しがちだ。

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