リーマン・ショックを予見し、2019年時点で「2020年にも未曾有の危機が到来する」と明言していた世界的な投資家のジム・ロジャーズ氏。5月に日経BPから新刊『危機の時代 伝説の投資家が語る経済とマネーの未来』(電子書籍は5月1日から先行配信開始)を出版するロジャーズ氏は、世界に広がる経済危機をどう見ているのか。リーマン・ショック、ブラックマンデー、世界恐慌など過去の危機の教訓、逆境における投資チャンスの見つけ方、混迷する世界の行方などについて詳しく述べた同書の一部を抜粋し、本記事では「危機の際の投資」に関するロジャーズ氏の見方を紹介する。

(聞き手は広野彩子、小里博栄、山崎良兵)

 ほぼすべての人が失敗しているとき、賢い投資家は上手に立ち回っている。誰もが悲観的になって「もうダメだ」と言っている時に、チャンスを見つけて投資しておけば、回復した時に得られるリターンは大きい。

 だから、自分自身がよく知っている分野に投資するというルールを守るべきだ。そうすれば、あなたは多くのお金を稼ぐことができる可能性が高い。

 もちろん投資する前には、きちんとしたリサーチを実行する必要がある。あなたが成功したいなら、情報収集のためにかける労苦を惜しむべきではない。もしあなたが投資すべきものが見つからないと思うなら、銀行にお金を預けて、投資するタイミングを待つべきだ。

 リーマン・ショックが起きる前の2006年と2007年に、多くの人々は、経済に問題が発生していることに気づいていた。サブプライムローンの問題は明らかに深刻化していたが、多くの人々は手をこまねき、お金や不動産を失った。

危機には「危険」と「機会」の両方があるとするジム・ロジャーズ氏(写真:的野 弘路)
危機には「危険」と「機会」の両方があるとするジム・ロジャーズ氏(写真:的野 弘路)

 危機がやってくるときは、どの銀行にお金を預けるかにも注意を払うべきだ。大きいだけでなく、財務が安定している健全な銀行に預けることをお薦めする。

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