人気漫画『ドラゴン桜2』の担当編集の一人で、ドラマ日曜劇場「ドラゴン桜」でも「東大監修」として脚本を監修している現役東大生の西岡壱誠さん。ベストセラー『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』の著者でもあり、このたび『東大メンタル―「ドラゴン桜」に学ぶ やりたくないことでも結果を出す技術』を上梓した。
『ドラゴン桜』は、成績の悪い高校生たちが、元暴走族の弁護士・桜木建二の指導で東大合格を目指す「受験スポ根」漫画だが、西岡さんは偏差値35から東大合格を果たした「リアル・ドラゴン桜」。そんな西岡さんに、勉強法について尋ねるシリーズ(前回はこちら)。
高校2年生の1年間、それなりに勉強したつもりだったのに「成績が1ミリも上がらなかった」という西岡さん。けれど、高校3年生になると一転、1年間で偏差値が30ポイントアップした。どんな勉強法が効いたのか? 高校時代に愛読した『ドラゴン桜』に学んだというポイントを紹介する。
いきなり余談ですが、5月9日に放送された、ドラマ日曜劇場「ドラゴン桜」第3話を視聴して、びっくりしました。この回では、平手友梨奈さんが演じる岩崎楓や、髙橋海人さんが演じる瀬戸輝など、東大専科の4人が、東大入試の過去問に挑んで話題になりました。例えば、「三日坊主」を英訳する1970年の英語問題や、市町村合併の問題点を論述する2016年の地理問題(一部改変)。いずれも本日発売の新刊『東大メンタル』で、西岡さんが詳しく解説している問題です。


西岡壱誠(以下、西岡):はい。東大入試の特徴やそれを踏まえた勉強法のコツについては、ドラマでもいろいろとアイデアを出させていただいています。前回、お話しした漫画『ドラゴン桜2』との関わり方と似ていて、大きなプロジェクトチームの一員という格好です。
なるほど。これから先も、西岡さんの新刊を読みながらドラマを見ると、発見が多そうですね。さて、本題です。西岡さんは、高校時代、偏差値35だったとうかがいました。しかし、漫画やドラマならさておき、現実世界で偏差値35の高校生が東大に合格したといわれても、にわかには信じがたい気もします。本当に偏差値35だったのですか?
西岡:はい。高校3年生になってすぐ受けたZ会の全国模試で偏差値35でした。現物が残っています。

高校1年生のときから、実力としては偏差値35くらいだったと思います。なぜかというと学校内での偏差値が35だったからです。前回の通り、僕が通っていた高校は偏差値50くらいだったので、学校のなかで偏差値35なら、全国的に見ても偏差値35程度ということになりますよね。
僕が「東大を受験しよう!」と思い立ったのは、高校1年生から2年生に上がるタイミングです。これも前回の通りで、恩師のシブヤ先生に「東大を目指せ! 人生を変えろ!」と、たきつけられて、その気になったわけです。
だから、高校2年生の間は、自分では結構、勉強したつもりでいました。しかし、高校3年生になって受けた全国模試が偏差値35。なんと成績が1ミリも上がっていなかったのです。これにはびっくりしました。

1996 年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、2年連続不合格。3年目に勉強法を見直し、偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。東大入学後、人気漫画『ドラゴン桜2』(講談社)に情報提供を行う「ドラゴン桜2 東大生プロジェクトチーム『東龍門』」のプロジェクトリーダーを務め、ドラマ日曜劇場「ドラゴン桜」の脚本監修(東大監修)を担当。2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立、代表に就任。偏差値35から東大合格を果たしたノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、全国6つの高校で「リアルドラゴン桜プロジェクト」を実施、高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師に指導法のコンサルティングを行っている。『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』(東洋経済新報社)など著書多数
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