人気漫画『ドラゴン桜2』の担当編集の一人で、ドラマ日曜劇場「ドラゴン桜」でも「東大監修」として脚本を監修している現役東大生の西岡壱誠さん。ベストセラー『「読む⼒」と「地頭⼒」がいっきに⾝につく 東⼤読書』の著者でもある。
『ドラゴン桜』は、成績の悪い高校生が、元暴走族の弁護士・桜木建二の指導で東大合格を目指す「受験スポ根」漫画だが、西岡さんは偏差値35から東大合格を果たした「リアル・ドラゴン桜」。そんな西岡さんに、勉強法について尋ねていく。
西岡さんの最新作『東大メンタル―「ドラゴン桜」に学ぶ やりたくないことでも結果を出す技術』の刊行を記念した企画。『東大読書』で、東大生の高い読解力は「能動的で主体的な読書」から生まれると主張した西岡さん。本作では、「能動性」や「主体性」を高めるテクニックを、『ドラゴン桜』の漫画を使いながら紹介している。
漫画の『ドラゴン桜2』は、2021年3月に完結しました。約3年の連載期間中、西岡さんは「現役東大生」(現在は休学中)という立場から作品をアシストする担当編集を務めてきました。どういう経緯で、この作品と関わることになったのですか。
西岡壱誠(以下、西岡):大学2年生だった2017年の秋ごろ、グループLINEで、「『ドラゴン桜2』の編集に協力する東大生を募集している」という情報が回ってきたんです。
最初の『ドラゴン桜』がドラマ化されるなどして話題になったのは、僕が高校生の頃で、もちろん僕も愛読していました。「おお、あの伝説の漫画が帰ってくるのか」と思って、その募集の「説明会」なるものに行ってみたのです。
説明会には、佐渡島庸平さんもいました。講談社で三田紀房先生の担当編集者として『ドラゴン桜』を生み出し、その後、エージェント会社コルクを立ち上げた方ですね。
そこで佐渡島さんに「実は僕、『リアル・ドラゴン桜』なんですよ」という話をしたら、面白がってくれて、三田先生に協力する東大生のプロジェクトチーム「東龍門」のプロジェクトリーダーとなり、『ドラゴン桜2』の「担当編集」の一人になったわけです。
西岡さんが「リアル・ドラゴン桜」というのは、偏差値35から東大に合格したからですね。
西岡:そうです、そうです。通っていた高校は偏差値50くらいの中高一貫校で、過去に東大に合格した先輩はいませんでした。しかも、その学校で僕は中学時代、ずっと学年ビリの成績でした。あまりの成績の悪さに、このままでは付属の高校には進学させられませんよ、という「自主退学勧告」を受けかけたくらいです。
そんな僕の前に、『ドラゴン桜』の桜木建二みたいな先生が現れたのです。
それが中学3年生のときに、僕らの学校に赴任してきた音楽のシブヤ先生です。シブヤ先生と僕は妙にウマが合って、僕にとって兄貴みたいな存在でした。そのシブヤ先生が、高校1年から高校2年に上がる頃、僕に「東大を目指せ!」と言ったのです。詳しいことは『東大メンタル』に書きましたが、要するに「東大に行って自分を変えろ、人生を変えろ」ということです。
それで結局、2浪して何とか東大に受かったわけです。

1996 年生まれ。偏差値 35 から東大を目指すも、2年連続不合格。3年目に勉強法を見直し、偏差値70、東大模試で全国 4 位になり、東大合格を果たす。東大入学後、人気漫画『ドラゴン桜2』(講談社)に情報提供を行う「ドラゴン桜2 東大生プロジェクトチーム『東龍門』」のプロジェクトリーダーを務め、ドラマ日曜劇場「ドラゴン桜」の脚本監修を担当。2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立、代表に就任。偏差値35から東大合格を果たしたノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、全国 6つの高校で「リアルドラゴン桜プロジェクト」を実施、高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師に指導法のコンサルティングを行っている。『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』(東洋経済新報社)など著書多数
Powered by リゾーム?