中国を意識したデザインが今後、世界の主流に
経済的に豊かになると、デザインやアートへの関心も高まります。世の中の様々な商品についても「あればいいな」という普及の段階からより質の高いものが求められます。今後チャイナ・アセアンが強大化していく中で、製品の商品開発やデザインはどのように変わっていくと思われますか?
脇田氏:70年前の日本を考えてみるといいと思います。敗戦でゼロからの出発でしたが、見よう見まねでいろいろなものをつくってきました。トヨタも日産もかつては海外勢から「日本人に優れたクルマがつくれるわけがない」と笑われたと言われます。今の中国がそれと同じような状態として捉えている人も多いようで、中国車が壊れるシーンを動画に上げる人もいるくらいです。しかし実際は中国の電気自動車のレベルは非常に高く、フォーミュラカーレースの電気自動車版、フォーミュラE世界選手権(FE)にもNIOなどの中国チームが参戦しています。自動運転技術も世界レベルでしょう。デザイン要素も最初は欧州車のまねからから始まっていますが、まねをしている間に独自のエッセンスが入っていきます。
中国以外のメーカーも中国やアジアの顧客を考えてつくっていくと、感性が寄っていくでしょう。例えば、トヨタ自動車のクルマも、日本ではいかつく見えても、米国のストリートに止まっているとかっこいい。向こうの風土を意識してつくると、そうなっていくのです。
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