ネットフリックスはD2C(Direct To Consumer)をうまく使い、それを武器に成長してきたとのことですが、その面では、同社になお優位性があるのではないですか。

大原氏:実は、ディズニーも同じことを始めています。増えていく会員の嗜好情報を収集し、レコメンデーションのDMを送ったりしています。ネットフリックスのデータ分析のレベルまで追いついているかは分かりませんが、少なくとも始めていて、専門スタッフもたくさん雇用しています。

 それから、何といってもディズニーの強みはコンテンツです。例えば、『スター・ウォーズ』のルーカスフィルム、これもディズニーの傘下。『スター・ウォーズ』シリーズは3年から5年置きに新作が出て、そのたびに世界の注目を集めます。

 劇場公開と同時にストリーミングで配信すれば、みんな見たくなります。マーベルの『アベンジャーズ』シリーズや『ワンダヴィジョン』もキラーコンテンツです。さらにウォルト・ディズニーの『アナと雪の女王』とか、最近でも新しいアニメ作品が次々と出てきています。

 コロナで映画館を再開できない地域もあり、ストリーミングの先行配信を決めれば、加入者が増える要因になります。

ネットフリックスはどのように対抗していくでしょうか。

大原氏:ネットフリックスはこれまで、世界各地で有能なプロデューサーを発掘してきました。面白い企画があったら一緒に作ろうと、多額のお金を出して作ってきました。アメリカ、ヨーロッパでもそこそこ有名な監督やプロデューサーを使って、作品を絶え間なく生み出してきました。

 ところが、これからの市場を考えれば、人口が増えているアジア、中でもインド、アフリカが重要になります。

 同社のグローバルTV部門のバイスプレジデントは、ベラ・バジャリアという、インド系でアフリカでの生活が長い人物です。同社のテッド・サランドス共同CEO(最高経営責任者)が彼女を抜擢し、アフリカ向けやインド向けを作れと、ハッパをかけています。

 インドやアフリカは人口が増えており伸びしろのある市場です。ここに注力、強化しようとしています。

これまで草の根的に各国の文化を生かしたコンテンツを作ってきたネットフリックスと、ハリウッド的な、誰もが楽しめるストーリーを手掛けてきたディズニーは棲み分けてきましたが、インドでは激突しているということですか。

大原氏:激突しますね。もっともハリウッドでこれまでコンテンツ王国を築いてきたディズニーのほうが、一日の長があると思います。

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