コロナ禍でサービス業の在り方が改めて問われる
ここに挙げた星野氏の言葉は『事件簿2』に星野氏から寄稿してもらった「解説」から抜すいしている。
サービス業は宿泊客からのクレームもあれば、要望に対して敏速に対応すべく解決策を練ることもある。社内でさまざまな行き違いが起きることもあれば、計画した通りにいかないことも多い。それこそが本書に登場するさまざまな「事件」だ。
事件はリスクや問題としてとらえるのではなく、チームが成長するためのプロセスであり、解決していくことでスタッフの自信になる。コロナ禍でビジネスの在り方が改めて問われる中、どの企業も事件を前向きに生かす取り組みがこれまで以上に求められるのは間違いないはずだ。
注目企業、星野リゾートの舞台裏を大公開――。
「事件が会社を強くする」(星野佳路代表)
ビジネスモデルが変わった地方の「グランドホテル」、結婚式の当日に起きた突然のアクシデント、 そして宿泊業に大きな影響を及ぼすコロナ禍……。
さまざまな「事件」を前に、星野リゾートのスタッフはどう考え、どう動いたか。
経理担当は踊り出し、
若手は畑を耕し、
ベテランは赤レンジャーになった!?
ユニークな戦略を次々に打ち出してきた星野にとっても、思いがけないアイデアだったのだろう。提案を聞くと、こう言った。
「それで大丈夫?」
だが、フラットな組織の自由な議論から出てきたアイデアに対して、スタッフの気持ちは前向きだった。(本書「崩れたスクラム」から)
事件と向き合った一人ひとりのスタッフの経験を、会社のナレッジとして蓄積していく……。そしてそのなかにダイヤモンドの原石のような大きなイノベーションの機会が隠れていると考えている。大事なのは、事件とは避けようとすべきことでなく、活用すべき体験である、ということだ。(本書「解説」=星野代表=から)
有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。
※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。
※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。
この記事はシリーズ「Books」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?