全国の職場では間もなく新年度の人事異動に伴う歓送迎会の季節がやってくる。だが今年は新型コロナウイルスの影響で会食の自粛ムードが漂っている。会場となるはずだった飲食店では予約のキャンセルが相次いでいるという。飲食店は衛生管理を徹底するとともに、地道に料理や接客の質を高めて、客離れを少しでも食い止めるほかなさそうだ。

 だが飲食業界では、料理の腕や接客術を磨くことに専念せず、不正を働いてまで客の評判を高めようとする店舗が存在する。客に金銭を支払ってグルメサイトに「料理はどれもおいしかった」「店内の雰囲気がよく、接客が行き届いていました」など、高評価の「レビュー(口コミ)」を書き込ませる、やらせの実態が取材から浮かび上がってきた。

あるブロガーに届いたやらせの依頼

 食べ歩きが趣味のブロガー、AKIは見知らぬ人たちから頻繁に連絡を受けている。記者が取材した数日前も、ブログのメッセージ機能を使ってコンサルタントを名乗る人物から「食べログで店のPRに協力してほしい」とお願いされていた。食べログは「失敗しないお店選び」をコンセプトに掲げる国内最大のグルメサイトで、飲食店選びの際に大きな影響力を持つ。AKIはPRの協力を依頼してきた相手に対して、試しに「詳しく知りたい」と返事をすると、数日後メッセージが送られてきた。これがその全文だ。

ブロガーのAKIに届いたメッセージ
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