「知の巨人」と呼ばれる出口治明さんが、「教養としての地政学」を、分かりやすい言葉で説き起こすシリーズ連載。

 前回は、日本列島が置かれた「絶妙な位置」を地図(下に再掲載)で確認したうえで、日本の経済規模を考えれば、「実効性のある軍事同盟を結べる国は3つしかない」と、喝破した。その3つとは……。

●ロシアや中国は、太平洋に出るために、日本を“通る”必要がある
●ロシアや中国は、太平洋に出るために、日本を“通る”必要がある

 アメリカ、中国、欧州連合(EU)だ。

 では、この3つのうち、どこと軍事同盟を結ぶのが賢明なのか。出口さんが、地政学を踏まえて答えを示す。

 出口さんの新刊『教養としての「地政学」入門』の刊行を記念した企画。

 第二次世界大戦が終わったあと、日本はアメリカの庇護(ひご)のもとに復興し繁栄してきました。そして日米安全保障条約を結びました。当時の世界は東西対立の冷戦下にあり、ソ連と中国は敵国でした。やがてソ連が崩壊し、冷戦が終わるまで、アメリカと日本は国内総生産(GDP)の一位と二位を占め、自由主義陣営のワンツー連合を形成してきました。

 その同盟関係は今日も持続しています。もっともGDPの二位は中国に追い抜かれましたが……。

 このような過程を経て、今日の時点で、日本が同盟すべき相手をゼロクリアして考えるとしたら、アメリカ、中国、EUのいずれでしょうか。

<span class="fontBold">出口治明(でぐち・はるあき)</span><br />立命館アジア太平洋大学(APU)学長。1948年、三重県生まれ。京都大学法学部を卒業後、1972年、日本生命保険入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当する。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退職。同年、ネットライフ企画を設立し、代表取締役社長に就任。08年4月、生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険に社名を変更。12年に上場。社長、会長を10年務めた後、18年より現職。訪れた世界の都市は1200以上、読んだ本は1万冊超。主な著書に『生命保険入門新版』(岩波書店)、『仕事に効く教養としての「世界史」Ⅰ・Ⅱ』(祥伝社)、『全世界史(上)(下)』『「働き方」の教科書』(以上、新潮社)、『人生を面白くする本物の教養』『自分の 頭で考える日本の論点』(以上、幻冬舎新書)、『哲学と宗教全史』(ダイヤモンド社)『人類5000年史Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』(ちくま新書)、『0から学ぶ「日本史」講義(古代篇、中世篇、戦国・江戸篇)』『世界史の10人』(以上、文藝春秋)などがある。
出口治明(でぐち・はるあき)
立命館アジア太平洋大学(APU)学長。1948年、三重県生まれ。京都大学法学部を卒業後、1972年、日本生命保険入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当する。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退職。同年、ネットライフ企画を設立し、代表取締役社長に就任。08年4月、生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険に社名を変更。12年に上場。社長、会長を10年務めた後、18年より現職。訪れた世界の都市は1200以上、読んだ本は1万冊超。主な著書に『生命保険入門新版』(岩波書店)、『仕事に効く教養としての「世界史」Ⅰ・Ⅱ』(祥伝社)、『全世界史(上)(下)』『「働き方」の教科書』(以上、新潮社)、『人生を面白くする本物の教養』『自分の 頭で考える日本の論点』(以上、幻冬舎新書)、『哲学と宗教全史』(ダイヤモンド社)『人類5000年史Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』(ちくま新書)、『0から学ぶ「日本史」講義(古代篇、中世篇、戦国・江戸篇)』『世界史の10人』(以上、文藝春秋)などがある。
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