ロシアや中国の立場に立ってみると、海路で太平洋に出ようとしたら、日本列島がとてつもなく邪魔な存在になっていることが一目瞭然です。日本列島から沖縄まで続く南西諸島が、連続して太平洋への出口をふさいでいる形となっています。

 このような場所に存在することが、日本の地政学的な特徴を形成してきました。

日本列島は実に絶妙な位置にある

 ロシアや中国を封じ込めようとしたら、日本列島の有する戦略的な位置は絶妙です。

 東西対立から冷戦の時代、まさに日本列島が西側の不沈空母の役割を果たしていたのは記憶に新しいところです。日本列島に資源と呼ぶべきものは、ほとんどありません。例えば産業革命の三要素と呼ばれている化石燃料も鉄もゴムもありません。日本の特徴といえるのは、ユーラシア大陸の東側に障害物のように存在する列島である――それがすべてです。

 ですから日本という国を、地政学的な現実だけから定義づけると、次のようになるのではないでしょうか。

 「周辺の国々のすべてとトラブルの火種を抱えている歴史上稀(まれ)な国で、ロシア、中国という大陸の二大国家が太平洋に出ていく障害となる、絶妙な位置に列島が連なっている島国である」

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