世界史的に見れば、周囲の国とトラブルを抱えていたら、せめて一カ国か二カ国とは仲良くしようと考えるのが普通です。それが常識的な発想です。

 けれど、日本は五軒のお隣さんと角(つの)を突き合わせているのに、平然としているように見えます。

 それはなぜなのか?

 おそらく少し離れてはいるけれど太平洋の向こう側にアメリカという世界最強国家があって、そこと軍事同盟を結んでいるから、そのことが大きな安心材料になっているのでしょう。

隣国すべてと火種を抱える日本は、異常である

 しかし周囲のすべての国と火種を抱えている現実は、ただならぬ事態だと、まともに受け止める必要があります。アメリカの存在に頼りすぎて、現実のトラブルを軽視するのは危険ですし、そもそもアメリカが永遠に強力な同盟相手であり続けるのかどうかは、神のみぞ知ることですから。

 そのことをクールに認識することから、今日の日本における地政学は始まるのだ、と考えざるを得ません。

 世界地図を南半球を上にして、ユーラシア大陸と日本列島、そして太平洋との位置関係を眺めてみてください。

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